6-656~658原典訳「天界の秘義」創世記Ⅰ
656. Quod per 'januam a latere' significetur auditio, inde nunc constare potest, nec opus est ut confirmetur per similia ex Verbo: similiter enim se habet auris ad organa sensoria interna, sicut janua a latere ad fenestram superne, seu quod idem est, auditio quae est auris, ad intellectuale quod est sensorii interni.
656. Quod:こと、それ、そのこと、per:~を通して、~によって、'januam:戸、扉、a:~から、~のために、latere':側面、側、significetur:意味される、auditio,:聞くこと、聴取、inde:それ故、続いて、nunc:今や、さて、constare:知られること、明らかであること、potest,:出来る、可能である、nec:否、opus est:必要である、ut:~のために、こと、~するように、confirmetur:確認される、説明される、per:~を通して、~によって、similia:同様な、等しい、ex:~から、~により、Verbo::聖言、御言葉、similiter:同様に、似ている、enim:なぜならば、~というのは、se:それ自身を、habet:持つ、auris:耳、ad:~に、~と比較して、organa sensoria:感覚器官、interna,:内部の、内なる、sicut:~の如く、~のように、janua:戸、扉、a:~から、~のために、latere:側面、側、ad:~に、~と比較して、fenestram:窓、superne,:上から、上に、seu:即ち、或いは、quod:こと、それ、そのこと、idem:同じ、同様のもの、est,:ある、auditio:聞くこと、聴取、quae:それは、そのことは、est:ある、auris,:耳、ad:~に、~と比較して、intellectuale:理解の、知的な、quod:こと、それ、そのこと、est:ある、sensorii interni.:内なる感覚器官、
656.「側面のための戸」によって聞くことが意味されることは、今や続いて知られることが出来よう。聖言からの同様な(言葉)によって説明されることは必要でなかろう。というのは、上の戸に比較しての側面のための戸の如く、即ち同じことである(が)、内なる感覚器官と比較して耳が聞くこと(の如く)、内なる感覚器官と比較して耳がそれを同様に持つからである。
657. Quod per 'infimas, secundanas et tertianas' significentur scientifica, rationalia et intellectualia, inde quoque sequitur: sunt tres gradus intellectualium in homine; ejus infimum est scientificum, medium est rationale, supremum est intellectuale; haec ita distincta sunt inter se ut nusquam confundantur; sed quod homo hoc nesciat, causa est quod in sensuali et scientifico solum vitam ponat; et cum ei inhaeret, ne quidem scire potest quod rationale ejus sit a scientifico distinctum, minus tunc quod intellectuale; cum tamen ita se res habet quod Dominus per intellectuale apud hominem influat in ejus rationale, et per rationale in scientificum memoriae, inde vita sensuum, visus et auditus; hic est verus influxus, et hoc est verum commercium animae cum corpore; absque influxu vitae Domini in intellectualia apud hominem (seu potius in voluntaria, et per voluntaria in intellectualia, et per intellectualia in rationalia, et per rationalia in ejus scientifica quae sunt memoriae) nusquam dari potest vita apud hominem: et tametsi homo in falsis est et malis, usque tamen est influxus vitae Domini per voluntaria et intellectualia, sed recipiuntur illa quae influunt, in parte rationali secundum ejus formam; et facit ut homo possit ratiocinari, possit reflectere, possit intelligere quid verum et bonum; sed de his, ex Divina Domini Misericordia, in sequentibus; tum quomodo se habet vita apud bruta.
657. Quod:こと、それ、そのこと、per:~を通して、~によって、'infimas,:最も下の、最下部、secundanas:第二階、et:~と、および、tertianas':三階、significentur:意味される、scientifica,:事実に基づく、科学的な、rationalia:理性のある、理性的な、et:~と、および、intellectualia,:理解の、知的な、inde:それ故、そこから、quoque:~もまた、同じく、sequitur::続いて起こる、従う、sunt:ある、tres:3、gradus:段階、intellectualium:理解の、知的な、in:~の中、~において、homine;:人間から、ejus:それの、彼の、infimum:最も下の、最下部、est:ある、scientificum,:事実に基づく、科学的な、medium:中間、真ん中、est:ある、rationale,:理性のある、理性的な、supremum:最も高い、一番上の、est:ある、intellectuale;:理解の、知的な、haec:これらは、ita:このように、従って、distincta:区別された、分離された、sunt:ある、inter se:相互の間で、相互に、ut:~のために、こと、~するように、nusquam:どこにもない、決して~ない、confundantur;:混同される、混ぜられる、sed:しかし、quod:こと、それ、そのこと、homo:人間は、hoc:これを、nesciat,:知らない、気付かない、causa:原因、理由、est:ある、quod:こと、それ、そのこと、in:~の中、~において、sensuali:感覚的な、感覚の、et:~と、および、scientifico:事実に基づく、科学的な、solum:だけ、のみ、vitam:生命、ponat;:置く、据える、et:また、そして、cum:その時、その場合、ei:それに、inhaeret,:固執する、執着する、ne quidem:決して~ない、~ですら~ない、scire:知ること、知っていること、potest:出来る、可能である、quod:こと、それ、そのこと、rationale:理性のある、理性的な、ejus:それの、彼の、sit:ある、a:~から、~により、scientifico:事実に基づく、科学的な、distinctum,:区別された、分離された、minus:なお更、まして、tunc:その時、やがて、quod:こと、それ、そのこと、intellectuale;:理解の、知的な、cum:その時、その場合、tamen:しかし、それにもかかわらず、ita:このように、従って、se:それ自身を、res:事柄、物事、habet:持つ、quod:こと、それ、そのこと、Dominus:主は、per:~を通して、~によって、intellectuale:理解の、知的な、apud:~のもとに、~において、hominem:人間を、influat:流れ込む、流入する、in:~の中へ、~へ、ejus:それの、彼の、rationale,:理性のある、理性的な、et:また、そして、per:~を通して、~によって、rationale:理性のある、理性的な、in:~の中へ、~へ、scientificum:事実に基づく、科学的な、memoriae,:記憶、記憶力、inde:それ故、そこから、vita:生命、sensuum,:諸感覚の、visus:視覚、視力、et:~と、および、auditus;:聴覚、聞くこと、hic:これが、est:ある、verus:真理の、真実の、influxus,:流入、影響、et:また、そして、hoc:これが、est:ある、verum:真理の、真実の、commercium:交際、交流、animae:霊魂、魂、cum:~と一緒に、~と、corpore;:体、身体、absque:~なしに、~を除いて、influxu:流入、影響、vitae:生命、Domini:主の、in:~の中へ、~へ、intellectualia:理解の、知的な、apud:~のもとに、~において、hominem:人間を、(seu:即ち、或いは、potius:~よりむしろ、in:~の中へ、~へ、voluntaria,:意志、et:また、そして、per:~を通して、~によって、voluntaria:意志、in:~の中へ、~へ、intellectualia,:理解の、知的な、et:また、そして、per:~を通して、~によって、intellectualia:理解の、知的な、in:~の中へ、~へ、rationalia,:理性のある、理性的な、et:また、そして、per:~を通して、~によって、rationalia:理性のある、理性的な、in:~の中へ、~へ、ejus:それの、彼の、scientifica:事実に基づく、科学的な、quae:それらは、そのことらは、sunt:ある、memoriae):記憶、記憶力、nusquam:どこにもない、決して~ない、dari:与えられること、potest:出来る、可能である、vita:生命、apud:~のもとに、~において、hominem::人間を、et:また、そして、tametsi:例え~でも、それでも、homo:人間は、in:~の中、~において、falsis:諸々の間違った原理(信念)から、est:ある、et:~と、および、malis,:諸々の悪から、usque:それでもなお、やはり、tamen:しかし、それにもかかわらず、est:ある、influxus:流入、影響、vitae:生命、Domini:主の、per:~を通して、~によって、voluntaria:意志の、et:~と、および、intellectualia,:理解の、知的な、sed:しかし、recipiuntur:受け入れられる、受容される、illa:それらが、quae:それらは、そのことらは、influunt,:流れ込む、流入する、in:~の中、~において、parte:部、部分、rationali:理性のある、理性的な、secundum:~に従って、~に沿って、ejus:それの、彼の、formam;:形、性質、状態、et:また、そして、facit:行なう、為す、ut:~のために、こと、~するように、homo:人間は、possit:出来る、可能である、ratiocinari,:論ずること、推論すること、possit:出来る、可能である、reflectere,:向きを変える、逆に向ける、後ろへ曲げる、そらせる、反射する、よく考える、熟考する、考慮する、possit:出来る、可能である、intelligere:理解すること、quid:何か?、どんな?、verum:真理、et:~と、および、bonum;:善、sed:しかし、de:~について、his,:これらから、ex:~から、~により、Divina:神的な、Domini:主の、Misericordia,:慈悲、憐れみ、in:~の中、~において、sequentibus;:次の、後に続く、tum:その上、さらに、quomodo:どのように、どうして、se:それ自身を、habet:持つ、vita:生命、apud:~のもとに、~において、bruta.:獣、
657.「一階、二階、および三階」によって科学的なもの、理性的なもの、および知的なものが意味されることもまた、このことから続いて起こる。人間の中の知的なものの三つの段階があり、その最下部のものは科学的なものであり、中間のものは理性的なものであり、最も高いものは知的なものである。これらのものは相互に区別されたものであり、決して混同されることはない。しかし、人間がこのことを知らない理由は、感覚的なものと科学的なものの中にだけ生命を置くからである。またそれに固執する時、科学的なものから区別されたその理性的なものがあることを、決して知ることが出来ない。その時まして、知的なもの(があることを知ることは出来ない)。それにもかかわらず、彼(人間)がこのようにこの事柄を持つ時(でも)、主は人間の許の知的なものを通して彼の理性的なものの中に流入し、また理性的なものを通して記憶の科学的なものへ流入する。それ故、視覚、聴覚の諸感覚の生命が(ある)。このことが真実の流入であり、またこのことが真実の霊魂と身体との交流である。人間の許の知的なものの中へ主の生命の流入なしに、(或いはむしろ、意志の中へ、また意志を通して知的なものの中へ、また知的なものを通して理性的なものの中へ、また理性的なものを通して記憶のものである科学的なものの中へ〈の流入なしに〉)、人間の許に生命は決して与えられることは出来ない。また例え、人間が諸々の間違った信念と諸々の悪の中に居ても、しかしそれでもなお、意志の(もの)と理解の(もの)を通して主の生命の流入がある。しかし、理性的な部分の中へ流入する(ものは)、その形(性質)に従ってそれらが受容される。また、これ(流入)が人間が真理と善が何かを推論することが出来るように、熟考することが出来る(ように)、理解することが出来る(ように)為す。しかし、これらについて、更に獣の許にその生命をどのように持つかも、主の神的な慈悲により、後に続く(箇所)において(述べよう)。
658. Tres illi gradus, qui in genere vocantur intellectualium hominis, nempe intellectus, ratio et scientia, significati quoque sunt, ut dictum, in Templo Hierosolymae per fenestras trium x substructionum, 1 Reg. vi 4, 6, 8, tum etiam prius per fluvios qui exibant ex horto Edenis ab oriente, ubi 'oriens' significat Dominum, 'Eden' amorem qui est voluntatis, 'hortus' intelligentiam inde, 'fluvii' sapientiam, rationem, et scientiam; de quibus videantur quae dicta sunt ad cap. ii vers.10-14.
658. Tres:3、illi:それらは、gradus,:段階、qui:それらは、in genere:一般的に、vocantur:呼ばれる、intellectualium:理解の、知的な、hominis,:人間の、nempe:正確には、即ち、intellectus,:理解、ratio:理性、et:~と、および、scientia,:知識、科学、significati:意味された、quoque:~もまた、同じく、sunt,:ある、ut:~のように、例えば、dictum,:言われた、in:~の中、~において、Templo:神殿、Hierosolymae:エルサレム、per:~を通して、~によって、fenestras:窓、trium:3、x substructionum,:段、層、1 Reg.:列王記、vi 4, 6, 8, tum:その上、さらに、etiam:~もまた、さらに、prius:以前に、前に、per:~を通して、~によって、fluvios:川、流れ、qui:それらは、そのことらは、exibant:出る、流れる、伸びる、出て行く、ex:~から、~により、horto:庭園、木立ち、Edenis:エデン、ab:~から、~により、oriente,:東、ubi:そこで、その場所、'oriens':東、significat:意味する、Dominum,:主を、'Eden':エデン、amorem:愛を、qui:それは、est:ある、voluntatis,:意志、'hortus':庭園、木立ち、intelligentiam:理解、知性、inde,:それ故、そこから、'fluvii':川、流れ、sapientiam,:知恵を、rationem,:理性を、et:また、そして、scientiam;:知識、科学、de:~について、quibus:それらから、そのことらから、videantur:見られる、認められる、quae:それらは、そのことらは、dicta sunt:言われた、ad:~に、~へ、cap.:章、ii vers.:節、10-14.
658.これらの三つの段階は、一般的には人間の理解のものと呼ばれる。即ち知性、理性、および知識(と呼ばれる)。(また前に)言われたように、エルサレムの神殿の中の三つの層(階層)の窓によってもまたそれらが意味された。列王記Ⅰ、6.4,6,8、更に、前に(述べられた)東からエデンの庭園から流れる川によってもまた(意味される)。そこの「東」は主を、「エデン」は意志の愛を、「庭園」はそこからの理解を、「川」は知恵、理性、および知識を意味する。これらについては(第)2章10-14節に言われたことが認められよう。