24-3085~3086意訳「天界の秘義」創世記Ⅲ

3085.これらの二つの節において、真理への情愛が起源に関して、性質に関して、および最初の導入の過程に関して記述されている。起源に関してはリベカが出て来て、彼女がアブラハムの兄弟ナホルの妻ミルカの息子ベトエルに産まれたにことよって記述されている。それらによってその情愛の凡ての起源が内意の中で述べられている。そのことは3077, 3078番に認められよう。性質に関しては「肩の上の彼女の壷」と「彼女は著しく外見の善い少女である」によって記述されており、それらによって性質が述べられている。そのことについては、3079-3081番に認められよう。最初の導入の過程に関しては「彼女は泉に降り、そしてその壷に満たし、また上がった」によって記述されている。そのことについては、3082-3084番に示された。しかしそのことは上に言われたように、一般大衆の理解を越えるだけでなく、更に人間的に鍛えられた理解もまた越えるようにそのことを有する。
[2]というのは、この章の内意において、また後に続くいくつかの章においてそのようなものが含まれているからである。その理由は、内なる人間を通して外なる人間の中へ神的なものの継続した流入、即ち理性を通して自然的な人間の中への天的なものと霊的なものの流入は、誰の心にも殆んど現れないからである。或いは同じことであるが、外なる人間の自然的なものの中では、要するにその流入によって自然的な人間からの真理が継続的に理性の中の善に呼び出され、上げられ、また植え付けられることは、誰の心にも殆んど現れないからである。このことは、決して知られたものには為されない。その時、その凡ての経過が何か、それがどのように為されるか、その進行は神的なものからあるのでどれほどの知恵があるか、決して万分の一も探索されることは出来ず、最も全般的なものが認められるだけである。
[3]またそれ故、そのことをこのように有する時、ここの内意にあることを理解されるために記述されることが出来ないこと、またそれらが述べられそれらを越えて理解することが出来ないことを誰も怪しんではならない。というのは、内意が述べることはこの進行について、またその進行を記述しなければならないからである。またその上、内意は特に天使達のためにあるからであり、天界と人間の間に伝達が聖言によってあることの理由のためであるからである。天使達に内意を認めることが与えられており、また天使達に内意は楽しいものの中にある。なぜなら、天的な食物は知性と知恵の凡てのものを除いて他のものではないからであり、なお加えて、天使達に主について取り扱う知性と知恵のものは何でも幸福なものであるからである。

3086.ここの内意の中に含まれていることについて、例え最も全般的な何かの考えであっても、それが持たれることが出来るために、この章の凡てのものの中で神的な善に連結されなければならない神的な真理について述べられていることが知られなければならない。正確には自然的な人間の中に流入する神的な善、即ちそこの科学的な(事実に基づく)もの、概念(知識)、および教義の事柄の中へ流入する神的な善について知られなければならない。というのは、科学的な(事実に基づく)もの、概念(知識)、および教義の事柄は自然的な人間の記憶の中だけの量であるからであり、また神的な善の流入によってそこの凡てのものを照らし、生かし、また秩序へ配置するからである。というのは、自然的な人間の中の凡ての光、生命、および秩序は誰でも、もし注意するなら知ることが出来るように神的なものからの流入によりあるからである。その流入によって情愛が生じ、それが真理への最初の全般的な情愛であり、その情愛についてその起源について、これらの二つの節において述べられている。3077, 3078番を参照、その性質については、3079-3081番を参照、その最初の導入の過程については、3082-3084番を参照、更に直ぐ後に続く節の内意においてその更なる進行、即ちその真理の調査、その上最初、主に結ばれた母のものの分離、等々が記述されている。
しかしそれらは理解に適合するものと比べて隠れたものであることを私は知る。またそのことは言われたように、それらは知られないと言う理由からである。しかし、それは内意が記述しているので、またそれは凡ての状況を記述しているので、どれほど理解を越えて現れるにせよ、殆んど他の方法で記述されることが出来ないが、そこから聖言の内意の中にどれほどの秘義があるか、更にこのような秘義があることを少しは認められることが出来よう。それらはこの世の人間が身体の中で生きる時の光の中では殆んど現れないが、しかしこの世の光から死後行く天界の光の中へ行くことによって常に明白に明瞭に認められる。そのようにその中に祝福された霊魂と幸福な霊魂、即ち天使達が居る。