創世記 第二十七章 内容(内意の概要)

前の章にはそこでイサクとリベカについて述べられ、その内意において理性的なものについて主がそれをどのように主御自身の中で神的なものに為されたかが述べられた。この章ではその内意において自然的なものについて主がそれをどのように御自身の中で神的なものに為されたかが述べられる。「エサウ」はその善であり、また「ヤコブ」はその真理である。確かに主はこの世に居られた時、御自身の凡ての人間性を理性的なものである内的なものも、自然的なものである外的なものも、また形体的なものそのものもまた本質的に神的なものに為された。またそれは神的な秩序に従って為され、主もまたそれに従って新しい人間を造られる。即ち再生される。それ故に、ここの表象の意味においてその自然的なものに関する人間の再生もまた述べられている。その意味において「エサウ」もまた自然的な善であり、また「ヤコブ」はその真理であり、その両方とも神的なものである。なぜなら、再生された者にとって凡ての善と真理は主からあるからである。

1.ところで、イサクは老い、見ることにおいてその目はかすんだ。そして彼は自分の息子の長子エサウを呼び、また彼に言った。私の息子よ、同時にエサウはイサクに私を見給えと言った。
2.また、イサクは言った。どうぞ見よ、私は老い私の死ぬ日を知らない。
3.またそれで、私は願う。あなたの武器を手に取れ、あなたの矢筒とあなたの弓を取れ、そして野に出て、また私のために獲物を狩れ、
4.そして、私が好んだようなご馳走を私のために作り、また私に持って来い、そして私が死ぬ前に私の魂があなたを祝福することのために私は食べよう。
5.ところがしかし、リベカはイサクがその息子エサウに話すことを聞いていた。そしてエサウは獲物を狩るために、獲物をもたらすために野に行った。
6.そして、リベカはその息子ヤコブに言うことで言った。見よ、私はあなたの父があなたの兄のエサウに言うことで話したことを聞いた。
7.私に獲物を持って来て、また私にご馳走を作れ、そして私は食べよう。また私が死ぬ前にエホバの前で私はあなたを祝福しよう。
8.またそれで、私の息子よ、私があなたに命じることについて私の言葉を聞け、
9.私は願う羊の群れに行け、そしてそこから私に善い二匹の雌山羊の子を取れ、同時に、私はそれらをあなたの父の好むようなご馳走に作ろう。
10.そして、あなたの父にそれを持って行き、また父がその死の前にあなたを祝福することのために食べさせよ、
11.同時に、ヤコブはその母のリベカに言った。見よ、私の兄のエサウは毛深い男ですが、しかるに私は毛のない男です。
12.恐らく私の父は私に触り、同時に、私は父の目に惑わしている者の如くなり、また私の上に呪いをもたらすでしょう。そして祝福をもたらさないでしょう。
13.同時に、その母は彼に言った。あなたへの呪いは私の上にもたらされるでしょう。私の息子よ、私の言葉だけを聞け、そして行き、私に取って来い。
14.そして、彼は行き、また取り、そしてその母に持って来た。また彼の母はその父が好んだようなご馳走を作った。
15.また、リベカは家の中で彼女の許にあったその息子兄エサウの好んだ衣服を取り、そしてその息子弟ヤコブに着せた。
16.また、彼女は雌山羊の子の毛皮を彼の手の上とそのなめらかな首の上にあてがった。
17.そして、彼女が作ったご馳走とパンをその息子のヤコブの手に渡した。
18.そして、彼はその父のそばに行き、そして言った。私の父よ、同時に、父は言った。見よ、私を、私の息子よ、あなたは誰だ?
19.同時に、ヤコブはその父に言った。私はあなたの長子エサウです。私はあなたが私に話したように行いました。どうぞ起きて座り給え、そしてあなたの霊魂が私を祝福することのために私の獲物から食べ給え、
20.そして、イサクはその息子に言った。私の息子よ、どうしてあなたはこれを急いで見つけることが出来たのか? 同時に、ヤコブは言った。あなたの神エホバが私の顔に与えられることを為されたからです。
21.そして、イサクはヤコブに言った。私の息子よ、どうぞ私に近づけ、あなたが確実に私のその息子エサウであるかどうか、実際、私はあなたを触らなければならない。
22.同時に、ヤコブはその父イサクに近付き、そしてイサクはヤコブに触った。そして言った。声はヤコブの声だが、しかるに手はエサウの手だ。
23.そして、イサクはヤコブを認めなかった。なぜなら、彼の手がその兄エサウの手の如く毛深かったからである。そしてヤコブを祝福した。
24.また、イサクはヤコブにあなたは私の息子エサウかと言った。同時に、ヤコブは私ですと言った。
25.そして、イサクは私にご馳走を持って来い、そしてそれから私の魂があなたを祝福することのために私は私の息子の獲物から食べようと言った。そしてヤコブはイサクにご馳走を運び、同時に、イサクは食べた。またヤコブはイサクに葡萄酒を持って来たのでイサクは飲んだ。
26.そして、ヤコブの父イサクはヤコブに言った。どうぞ近寄って、また私に接吻せよ、私の息子よ、
27.そして、ヤコブは近寄り、同時にイサクに接吻した。そしてイサクは彼の衣服の匂いを嗅ぎ、またイサクはヤコブを祝福し、そして言った。見よ、私の息子の匂いはエホバが祝福された野の匂いのようだ。
28.また、神はあなたに天の露から、また地の脂肪の多いものからあなたに与え、また穀物と葡萄の多くのものを与えられるであろう。
29.諸々の民があなたに仕え、また諸々の民が自分達をあなたにかがめるであろう。あなたはあなたの兄弟達の主人になれ、またあなたの母の息子達はあなたに自分達をかがめるであろう。あなたを呪う者は呪われた者であり、またあなたを祝福するものは祝福された者である。
30.そして、イサクがヤコブに祝福することを終え、またヤコブがその父イサクの顔から出て行くことで出ると、同時に彼の兄エサウがその狩猟から帰って来た。
31.そしてそれがあった。そのようにエサウもまたご馳走を作り、またその父に持って来た。そしてその父に言った。私の父よ、起き給え、そしてあなたの霊魂が私を祝福することのためにその息子の獲物から食べ給え、
32.同時に、その父イサクはエサウに言った。あなたは誰だ? 同時に、エサウは言った。私はあなたの息子、あなたの長子エサウです。
33.そして、イサクは続けざまに著しく大きな恐怖感で身震いして、また言った。それでは狩猟の獲物を、また私に持って来た者は誰か? しかのみならず、あなたが来る前に私はその凡てのものから食べ、また私は彼を祝福し、確かに彼は祝福された。
34.エサウがその父の言葉を聞くや否や、同時に大きく、また辛辣な叫びで声高に、それでもなお力強く、またその父に言った。私を祝福し給え、私もまた祝福し給え、私の父よ、
35.そして、イサクは言った。あなたの弟が来てごまかしによって、同時に、あなたの祝福を取った。
36.また、エサウは言った。彼の名はヤコブと言うのではないか? また彼は私に二度取って代わった。私の長子の権利を取り、また見よ、今私の祝福を取った。そしてエサウは言った。私のために祝福を保存しておられないのですか?
37.同時に、イサクは答え、またエサウに言った。見よ、私はヤコブをあなたの主人に定め、またその凡ての兄弟達を彼のしもべ(奴隷)達に定めた。そして私は穀物と葡萄で彼を支えた。またそれ故、あなたに何を為そうか? 私の息子よ、
38.また、エサウはその父に言った。あなたにこの一つの祝福があるだけですか? 私の父よ、私を祝福し給え、私もまた祝福し給え、私の父よ、そしてエサウは自分の声を上げ、また泣いた。
39.同時に、その父イサクは答え、またエサウに言った。見よ、あなたの住みかは地の脂肪の多いものから、また天の上の露からあるであろう。
40.また、あなたはあなたの剣の上で生きるであろう。そしてあなたの弟にあなたは仕え、またあなたが支配する時、同時に、あなたの首の上からそのくび木を絶つであろう。
41.エサウは祝福に関して、更には彼の父がヤコブを祝福した故に、ヤコブを憎み、そしてエサウはその心の中で言った。私の父の喪の日は近い。しかもその時に、私は私の弟のヤコブを殺そう。
42.また、リベカにその息子の兄エサウの言葉が知らされた。そして彼女はその息子の弟ヤコブに使いを差し向け、また呼んだ。そして彼に言った。見よ、あなたの兄エサウはあなたを殺すことによってあなたに自分自身を慰めている。
43.またそれで、私の息子よ、私の言葉を聞け、そして立ち上がり、ハランの私の兄ラバンに向かってあなたは逃げよ、
44.そして、あなたの兄の憤りが去るまで若干の日々あなたはラバンの下に留まれ、
45.あなたの兄の怒りがあなたから去るまで、またあなたがエサウに行なったことを彼が忘れるまで留まれ、また私が使いを差し向けるまで留まれ、そしてその結果として私はあなたを得よう。なぜ、私は一日にあなた達二人もまた奪われるのか?
46.そして、リベカはイサクに言った。私はヘテの娘達のために私の生命(生活)を厭う。もしヤコブがこの地の娘達から彼女達の如きヘテの娘達から女(妻)を娶るなら、なぜ私に生命(生活)があろうか?。