29-3775~3776原典訳「天界の秘義」創世記Ⅲ

3775. `Dixit illis Jacob': quod significet verum boni, constat
ex repraesentatione `Jacobi' quod sit Divinum Naturale Domini, de
qua prius; {1} quia omnia et singula ubivis se ad bonum et verum
referunt, n. 3166, 3513, 3519, ita etiam quae in naturali, et quia
bonum et verum in naturali cum regeneratur homo, in alio statu est
in principio quam in progressu et in fine, ideo per `Jacobum'
repraesentatur naturale quoad verum et bonum secundum statum, hic
quoad verum boni; sed varia illa ubivis singillatim exponere, foret
res in obscurum mittere, imprimis apud illos qui non distinctam
ideam de vero et bono habent, et minus adhuc de vero per quod {2}
bonum, et de vero quod ex bono.

3775. `Dixit:言った、illis:それらに、彼らに、Jacob'::ヤコブ、quod:こと、それ、そのこと、significet:意味する、verum:真理、boni,:善、constat:知られる、明らかである、ex:~から、~により、repraesentatione:象徴、表象、`Jacobi':ヤコブ、quod:こと、それ、そのこと、sit:ある、Divinum:神的な、Naturale:自然的な、自然の、Domini,:主、de:~について、qua:それから、そのことから、prius;:以前に、前に、{1} quia:なぜなら、ので、omnia:凡ての、全体の、et:~と、および、singula:別々の、個別の、ubivis:どこであろうと、いつであろうと、至る所に、~の場所に、se:それを自身を、ad:~に、~へ、bonum:善、et:~と、および、verum:真理、referunt,:関係付ける、適応させる、関連づける、n.:番号、3166, 3513, 3519, ita:このように、従って、etiam:~もまた、更に、quae:それらは、そのことらは、in:~の中、~において、naturali,:自然的な、自然の、et:また、そして、quia:なぜなら、ので、bonum:善、et:~と、および、verum:真理、in:~の中、~において、naturali:自然的な、自然の、cum:その時、その場合、regeneratur:再生される、homo,:人間、in:~の中、~において、alio:他のもの、異なった、statu:状態、est:ある、in:~の中、~において、principio:原理、始め、初め、端緒、quam:それを、in:~の中、~において、progressu:進行、進展、et:~と、および、in:~の中、~において、fine,:目的、終結、ideo:それ故、そのために、per:~を通して、~によって、`Jacobum':ヤコブ、repraesentatur:象徴される、表象される、naturale:自然的な、自然の、quoad:~に関して、~に関する限り、verum:真理、et:~と、および、bonum:善、secundum:~に従って、~に沿って、statum,:状態、hic:ここに、この場に、quoad:~に関して、~に関する限り、verum:真理、boni;:善、sed:しかし、varia:様々な、種々の、illa:それらを、ubivis:どこであろうと、いつであろうと、singillatim:一つずつ、個別的に、exponere,:説明すること、述べること、foret:あった、res:事柄、物事、in:~の中へ、~に、obscurum:不明瞭な、暗い、不確かな、mittere,:差し向けること、遣わすこと、imprimis:特に、ことのほか、apud:~のもとに、~において、illos:彼らを、qui:その者達、non:否、distinctam:分離された、明確な、ideam:考え、原型、de:~について、vero:真理、et:~と、および、bono:善、habent,:持つ、有す、et:また、そして、minus:なお更、まして、より小さく、adhuc:更に、一層、de:~について、vero:真理、per:~を通して、~によって、quod:それを、そのことを、{2}bonum,:善、et:また、そして、de:~について、vero:真理、quod:こと、それ、そのこと、ex:~から、~により、bono.:善、

3775.「ヤコブは彼らに言った」が、善の真理を意味することは、ヤコブの表象が主の神的な自然的なものであることから知られよう。そのことについては前に(示された)。凡てのものの全体的なものも個別的なものもそれらを善と真理に関連付けるので、3166, 3513, 3519番(を参照)、自然的なものの中のものもまたそのように(関連付ける)。また人間が再生される時、自然的なものの中の善と真理は初めにおいて、進行において、および終結において異なった状態の中にあるので、それ故、「ヤコブ」によって自然的な真理と善に関して(その)状態に従って表象される。ここでは善の真理に関して(その状態に従って表象されている)。しかしそれらの様々なものを個別的に説明することは、いつでも(その)事柄を不明瞭なものの中へ差し向けることになり、特に真理と善について明確な考えを持たない者達、またなお更一層、善を通した真理について、また善からの真理について(明確な考えを持たない者達の許に不明瞭なものになる)。

3776. `Fratres mei, unde vos?': quod significet charitatem ibi ex
qua origine, constat ex significatione `fratrum' quod sint illi qui
in bono, et inde quod sit ipsum bonum, proinde charitas, de qua n.
367, 2360, 3303, 3459; et ex significatione `unde vos' quod sit ex
qua origine. Ex his quoque patet, {1} quod quae in sensu litterae
sunt interrogationis, et quod determinatum ad personas, in sensu
interno in ideam indeterminatam {2} ad aliquem cadant; historica
enim litterae nulla fiunt in caelo apud angelos cum relinquunt
hominem, et intrant caelum; inde constare potest quomodo se habet
cum interrogatione Jacobi ad viros Haranis, `Fratres mei, unde
vos?' quod significet charitatem ibi ex qua origine. (s)Cum his ita
se habet: charitas quae externa forma sicut charitas apparet, non
semper est charitas in forma interna; ex fine cognoscitur qualis
est et unde est; charitas quae ex fine {3} fit propter se aut
propter mundum, non est charitas in forma interna, immo nec dicenda
est charitas; at charitas quae ex fine fit {3} propter proximum,
propter commune bonum, propter caelum, ac ita propter Dominum, est
ipsa charitas, et habet in se affectionem benefaciendi ex corde, et
inde jucundum vitae, quod in altera vita beatum fit: hoc scire
maxime interest, ut homo sciat quid regnum Domini in se: de
inquisitione de hac charitate, seu quod idem, de hoc bono, in his
versibus nunc agitur; et hic primum quaeritur ex qua origine
charitas, quod significatur per `fratres mei, unde vos?'(s)

3776. `Fratres:兄弟達よ、(呼格)mei,:私達の、(呼格)unde:どこから、どの源から、vos?'::私達は、quod:こと、それ、そのこと、significet:意味する、charitatem:仁愛、ibi:そこに、同じ所に、ex:~から、~により、qua:それから、そのことから、origine,:起源、始まり、constat:知られる、明らかである、ex:~から、~により、significatione:意味、`fratrum':兄弟、quod:こと、それ、そのこと、sint:ある、illi:彼らは、qui:その者達、in:~の中、~において、bono,:善、et:また、そして、inde:それ故、そこから、quod:こと、それ、そのこと、sit:ある、ipsum:そのもの、それ自身、bonum,:善、proinde:従って、それ故に、charitas,:仁愛、de:~について、qua:それから、そのことから、n.:番号、367, 2360, 3303, 3459; et:また、そして、ex:~から、~により、significatione:意味、`unde:どこから、どの源から、vos':あなた達は、quod:こと、それ、そのこと、sit:ある、ex:~から、~により、qua:それから、そのことから、origine.:起源、始まり、
Ex:~から、~により、his:これらから、下記の、quoque:~もまた、同じく、同様に、patet,:明らかである、{1} quod:こと、それ、そのこと、quae:それらは、そのことらは、in:~の中、~において、sensu litterae:文字通りの意味、sunt:ある、interrogationis,:質問、et:また、同時に、quod:こと、それ、そのこと、determinatum:明確な、決められた、ad:~に、~へ、personas,:人格、人物、個人、in:~の中、~において、sensu interno:内意、in:~の中へ、~に、ideam:考え、原型、indeterminatam:未決定の、不確定の、{2} ad:~に、~へ、aliquem:誰か、何か、cadant;:落ち込む、従属する、陥る、historica:歴史的な、歴史の、enim:なぜならば、~というのは、litterae:文字通りの意味、nulla:何も~ない、決して~でない、誰も~ない、fiunt:為される、存在するようになる、in:~の中、~において、caelo:天界、apud:~のもとに、~において、angelos:天使達、cum:その時、その場合、relinquunt:残す、離れる、置いて行く、hominem,:人間、et:また、そして、intrant:入る、踏み込む、caelum;:天界、inde:それ故、そこから、constare:知られること、明らかであること、potest:出来る、可能である、quomodo:どのように、どうして、どのようにして、se:それ自身を、habet:持つ、有す、見なす、cum:~と一緒に、~によって、interrogatione:質問、Jacobi:ヤコブ、ad:~に、~へ、viros:男達、人々、Haranis,:ハラン、`Fratres:兄弟達よ、(呼格)mei,:私達の、(呼格)unde:どこから、どの源から、vos?':あなた達は、quod:こと、それ、そのこと、significet:意味する、charitatem:仁愛、ibi:そこに、同じ所に、ex:~から、~により、qua:それから、そのことから、origine.:起源、始まり、
(s)Cum:~と一緒に、~によって、his:これらから、ita:次のように、従って、se:それ自身を、habet::持つ、有す、charitas:仁愛、quae:それらは、そのことらは、externa:外部の、外なる、forma:形、性質、sicut:~の如く、~のように、charitas:仁愛、apparet,:現れる、見える、non:否、semper:常に、永久に、est:ある、charitas:仁愛、in:~の中、~において、forma:形、性質、interna;:内部の、内なる、ex:~から、~により、fine:目的、意図、cognoscitur:知られる、認められる、qualis:どのような、どんな種類の、どんな性質の、est:ある、et:また、そして、unde:どこから、どの源から、est;:ある、charitas:仁愛、quae:それらは、そのことらは、ex:~から、~により、fine:目的、意図、{3} fit:為される、行われる、propter:~のために、~の故に、se:自分自身を、それ自身を、aut:即ち、或いは、propter:~のために、~の故に、mundum,:(この)世、世界、non:否、est:ある、charitas:仁愛、in:~の中、~において、forma:形、性質、interna,:内なる形、immo:というよりは、それどころか、nec:否、dicenda:言われるべき、(未来受動分詞)est:ある、charitas;:仁愛、at:しかし、だが聞き給え、charitas:仁愛、quae:それらは、そのことらは、ex:~から、~により、fine:目的、意図、fit:為される、行われる、{3} propter:~のために、~の故に、proximum,:隣人、仲間、propter:~のために、~の故に、commune:一般の、公共の、公衆の、bonum,:善、propter:~のために、~の故に、caelum,:天界、ac:また、なお加えて、ita:このように、従って、propter:~のために、~の故に、Dominum,:主、est:ある、ipsa:そのもの、それ自身、charitas,:仁愛、et:また、そして、habet:持つ、有す、in se:本質的に、本来、affectionem:情愛、benefaciendi:善を為すことの、善くすることの、ex:~から、~により、corde,:心、et:また、そして、inde:それ故、そこから、jucundum:愉快、楽しい、喜ばしい、vitae,:生命、生活、quod:こと、それ、そのこと、in:~の中、~において、altera vita:他生、beatum:幸福な、祝福された、fit::為される、行われる、hoc:これを、scire:知ること、maxime:特に、とりわけ、最大に、最も、非常に、極めて、interest,:関係がある、重要である、ut:~のために、こと、~するように、homo:人間、sciat:知る、quid:何か?、どんな?、regnum:王国、Domini:主、in se::本質的に、本来、de:~について、inquisitione:調査、探求、捜索、de:~について、hac:これから、charitate,:仁愛、seu:即ち、或いは、quod:こと、それ、そのこと、idem,:同じ、同様のもの、de:~について、hoc:これから、bono,:善、in:~の中、~において、his:これらから、versibus:節、nunc:今、それで、agitur;:述べられる、取り扱われる、et:また、そして、hic:ここに、この場に、primum:先ず、初めて、最初に、quaeritur:見つけられる、得ようとされる、捜される、捜し求められる、得ようとされる、欲っせられる、〈+acc;+inf〉、試みられる、求められる、獲得される、手に入れられる、ex:~から、~により、qua:それから、そのことから、origine:起源、始まり、charitas,:仁愛、quod:こと、それ、そのこと、significatur:意味される、per:~を通して、~によって、`fratres:兄弟達よ、(呼格)mei,:私達の、(呼格)unde:どこから、どの源から、vos?'(s):あなた達は、

3776.「私の兄弟達よ、あなた達は何処から(来たの)か?」が、同じ起源からの仁愛を意味することは、「兄弟」の意味が善の中に居る者達、またそれ故、善そのものであることから、従って仁愛そのものであることから知られよう。そのことについては367, 2360, 3303, 3459番(に示された)。また「あなた達はどこから(来たのか)」の意味がその起源からであることから知られよう。
(また)それは文字通りの意味において質問であり、同時に、明確な人物への(質問であるが、しかし)内意においては不明確な誰かへの考えに落ち込む。というのは、歴史的な文字通りの意味が人間を離れて、天界へ入る時、天使達の許の天界においてそれら(歴史的な文字通りの意味)は何も存在しくなるからである。それ故、ハランの男達へのヤコブの質問である「私の兄弟達よ、あなた達は何処から(来たの)か?」によって、同じ起源からの仁愛を意味することをどのように見なす(べき)か知られることが出来よう。
それらによって次のようにそのことを有する。仁愛の如く見える外なる形の仁愛は、常に内なる形における仁愛ではなく、目的からどのようなものか、またどこからあるかが知られる。自分自身のため、或いはこの世のための目的から行なわれる仁愛は内なる形において仁愛ではなく、それどころか、仁愛と言われるべきではない。しかし隣人のため、公共の善のため、天界のため、またそのように主のための目的から行なわれる仁愛は仁愛そのものである。またそれ(その仁愛)は本来心から善を為すことの情愛を持ち、またそこから生命の楽しいもの(を持ち)、それが他生において幸福なものに為される。それを知ることは人間が本質的に主の王国がどのようなものであるかを知るために極めて重要である。その仁愛についての調査、或いは同じことであるが、その善についての調査についてこれらの節において今取り扱われており、またここで先ずその起源から探し求められる仁愛が「私の兄弟達よ、あなた達は何処から(来たの)か?」によって意味されている。