29-3894~3896意訳「天界の秘義」創世記Ⅲ

3894.上の3892番に言われたように、天使達と霊達の呼吸は全く彼らの愛とそこからの信仰の像に従ってそれを有するので、それ故、一つの社会は他の社会と比べて同様に呼吸しない。更に自己愛と世俗愛、およびそこからの間違った信念の中に居る悪い者達は善い者達の交わりの間に居ることが出来ないで、むしろ彼らに近付く時、自分達自身に呼吸することが出来ないことを認め、言わば窒息させられることを認める。それ故、半死半生のように、また石のように地獄にまで落ち、そこで再び自分の呼吸を受け、その呼吸をそこに居る者達と一緒に共通に持つ。それ故、悪と間違った信念の中に居る者達は最大の人間の中、即ち天界の中に居ることが出来ないことが知られることが出来よう。というのは、彼らがそこへ近付くに従って彼らの呼吸が止まり始めるからであり、その時、彼らの凡ての知覚と思考、および悪を行なうことと間違った原理を説得することの努力もまた止まり始めるからである。そして彼らに努力と一緒に凡ての行動と生命の運動が滅びる。それ故に自分達を真っ逆さまに投げ落とすことを除いて異なって出来ない。

3894a.そのようにあるので、従って正しい者達が他生へ行く時、先ずこの世において持った生命(生活)の中へ戻される。2119番を参照、従って彼の生命の愛と喜びの中へもまた戻される。それ故、準備される前に、更に呼吸に関しても準備が為される前に天使達の交わりの中に居ることが出来ない。それ故に、準備される時は、先ず一致する呼吸によって天使的な生命(生活)に訓練され、また同時にその時、内的な認識と天的な自由の中へ行く。それが多くの社会、或いは多くの集団の中で行なわれる。それらの中で一人の者はもう一人の者のように同様に呼吸し、更に同様に認識し、また同様に自由から行なう。どのようにしてそれが行なわれるかもまた私に生き生きと示された。

3895.悪と間違った原理の納得、更に人間が悪い生命(生活)の中に居る時の真理の納得は、他生において他の者達、また天使的な呼吸へ訓練される前の正しい霊達もまた窒息させるようなものである。それ故に、悪と間違った原理の納得の中に居る者達は主により遠ざけられ、また地獄に引き留められる。そこでの苦しみは他の者を害することが出来ない。というのは、一人の者の間違った信念は他の者の間違った信念に、ほぼ等しいからであり、またそれ故、呼吸も一致するからである。そのような間違った信念の中に居た或る者が私を窒息させることの意図で来た。そして若干の呼吸困難もまたもたらしたが、しかし主により私は救われた。その時、主から幼児が差し向けられ、その者の居合わせることにより彼らは殆んど呼吸することが出来ないような苦しみを引き起こした。彼らは懇願に至るまでずっとその状態に保たれ、またそのように地獄へ追いやられた。
[2]人間が悪い生命(生活)の中に居る時の真理の説得は、善い目的のためではなく悪い目的のために自分自身に真理が真理であることを納得しているようなものである。即ち間違った原理の説得で財産を得るようなものである。凡ての者達の最も悪い者達はそのような間違った信念の説得の中に居ることが出来、更に見せ掛けの熱意の中で真理の中に居ない凡ての者達は(彼らがどれほど善の中に居るにせよ)地獄へ落とさなければならないと言うほどである。その間違った信念については2689, 3865番に認められよう。そのような者達は他生へ行く時、初めの内、彼らは自分達を天使であると信じるが、しかし何かの天使的な社会に近付くことが出来ず、間違った信念を主張することによりそこで窒息させられるようになる。彼らは主がマタイ伝において話された者達である。
「その日、多くの者達が私に言うであろう。主よ、主よ、あなたの御名によって私達は預言したではないか? またあなたの御名によって悪霊達を追い出したではないか? またあなたの御名において多くの力ある行いを行ったではないか? しかし、その時、私は彼らに言明するであろう。私はあなた達を知らない。不正を働いている者達よ、私から立ち去れ。」7.22,23、

3896.続、最大の人間について、また相応については次の章の終わりに(述べよう)。