31-4078~4084原典訳「天界の秘義」創世記Ⅳ

4078. `Et non edit e Deus ad malefaciendum mecum': quod
significet quod usque non impedire potuerit, constat ex
significatione `non dare ad malefaciendum' cum praedicatur de
Domino quod sit non impedire posse; `malefacere' enim Divino nihil
potest, sed impedire ne influat, fieri potest, omne malum hoc
facit; inde patet quid per `malefacere' hic significatur.

4078. `Et:また、しかるに、non:否、edit:引き渡した、委ねた、手渡した、ei:彼に、Deus:神、ad:~のために、~へ、malefaciendum:悪を為すことへ、悪いことをすることへ、mecum'::私と一緒に、私に、(=cum me)quod:こと、それ、そのこと、significet:意味する、quod:こと、それ、そのこと、usque:それでもなお、やはり、non:否、impedire:妨げること、妨害すること、potuerit,:出来た、可能であった、constat:知られる、明らかである、ex:~から、~により、significatione:意味、` non:否、dare:引き渡すこと、委ねること、手渡すこと、ad:~のために、~へ、malefaciendum':悪を為すことへ、悪いことをすることへ、cum:その時、その場合、praedicatur:属性付けられる、述べられる、de:~について、Domino:主、quod:こと、それ、そのこと、sit:ある、non:否、impedire:妨げること、妨害すること、posse;:出来ること、可能であること、`malefacere':悪を為すこと、悪いことをすること、enim:なぜならば、~というのは、Divino:神的な、nihil:無意味、何も~ない、無、potest,:出来る、可能である、sed:しかし、impedire:妨げること、妨害すること、ne:~しないように、否、influat,:流れ込む、流入する、fieri:為されること、行われること、potest,:出来る、可能である、omne:凡ての、全体の、malum:悪、hoc:これは、facit;:行なう、為す、inde:それ故、そこから、patet:明らかである、quid:何か?、どんな?、per:~を通して、~によって、`malefacere':悪を為すこと、悪いことをすること、hic:ここに、この場に、significatur.:意味される、

4078.「しかるに神は私に悪を為すために彼に(私を)引き渡されなかった」が、それでもそれは妨害することが出来なかったことを意味することは、「悪を為すために引き渡さないこと」の意味が、主について属性付けられる時、妨害することが出来ないことであることから知られよう。というのは、神的なものに悪を為すことは何も出来ないからである。しかし(神的なものが)流入しないように妨げることを行うことが出来る。凡ての悪はそれを行う。それ故、ここの「悪を為すこと」によって何が意味されているか明らかである。

4079. `Si sic dicebat, Punctata erit merces tua, et pepererunt
omnes greges punctata': quod significet liberum Ejus, et quod ii
libero Ejus sumerentur illa a Domino, haec quoad mala adjuncta
bonis, constat ex statu rei in sensu interno, qui est liberum Ei
fuerit constat ex statu rei in sensu interno, qui est quod mutare
mercedem, et sic quod in libero Ejus desumpta sint illa; quod haec
quoad mala adjuncta bonis, constat ex significatione `punctatorum'
quod sint bona cum quibus mixta mala, de qua n. 3993, 3995, 4005.

4079. `Si:もし~なら、たとえ~でも、sic:そのように、こうして、dicebat,:言った、Punctata:小さな斑点で覆われた、斑点入りの、erit:ある、(三人称単数未来)merces:賃金、商品、報酬、tua,:あなたの、et:また、実際、pepererunt:産んだ、omnes:凡ての、全体の、greges:(羊や山羊などの)群れ、punctata'::小さな斑点で覆われた、斑点入りの、quod:こと、それ、そのこと、significet:意味する、liberum:自由な、自主的、Ejus,:それの、彼の、et:また、そして、quod:こと、それ、そのこと、ii:それらは、彼らは、libero:自由、自主的、Ejus:それの、彼の、sumerentur:手に入れられた、得られた、持たれた、illa:それらは、a:~から、~により、Domino,:主、haec:これらは、quoad:~に関して、~に関する限り、mala:諸々の悪、adjuncta:結合された、結ばれた、接合された、bonis,:諸々の善、constat:知られる、明らかである、ex:~から、~により、statu:状態、性質、rei:事柄、物事、in:~の中、~において、sensu interno,:内意、qui:それは、est:ある、liberum:自由な、自主的、Ei:彼に、fuerit:あった、constat:知られる、明らかである、ex:~から、~により、statu:状態、性質、rei:事柄、物事、in:~の中、~において、sensu interno,:内意、qui:それは、est:ある、quod:こと、それ、そのこと、mutare:変えること、mercedem,:報酬、代価、et:また、そして、sic:そのように、こうして、quod:こと、それ、そのこと、in:~の中、~において、libero:自由、自主的、Ejus:それの、彼の、desumpta sint:引き出された、illa;:それらは、quod:こと、それ、そのこと、haec:これらは、quoad:~に関して、~に関する限り、mala:諸々の悪、adjuncta:結合された、結ばれた、接合された、bonis,:諸々の善、constat:知られる、明らかである、ex:~から、~により、significatione:意味、`punctatorum':小さな斑点で覆われた、斑点入りの、quod:こと、それ、そのこと、sint:ある、bona:諸々の善、cum:~と一緒に、~と、quibus:それらから、そのことらから、mixta:混合された、混成の、雑多な、mala,:諸々の悪、de:~について、qua:それから、そのことから、n.:番号、3993, 3995, 4005.

4079.「もし、彼が斑点入りのものがあなたの報酬であるとそのように言ったなら、実際、凡ての羊の群れが斑点入りのものを産んだ」が、彼(主)の自由を意味し、また主によりその自由の中で善に結ばれた悪に関してもそれらが得られたことを意味することは、内意の中の事柄の状態から知られよう。彼(主)に自由があることは内意の中の報酬を変えることの事柄の状態から知られよう。またそのように、彼(主)の自由の中でそれらが引き出されたことが知られよう。それらが善に結ばれた悪に関して(も引き出された)ことは「斑点入りのもの」の意味が悪が混合された善であることから知られよう。そのことについては3993, 3995, 4005番(に示された)。

4080. `Et si sic dicebat, Variegata erit merces tua, et pepererunt
omnes greges variegata': quod significet eadem quoad falsa
adjuncta, constat ex illis quae nunc dicta sunt; et a
significatione `variegatorum' quod sint vera sparsa et mixta malis,
de qua n. 4005, proinde falsa.

4080. `Et:また、そして、si:もし~なら、たとえ~でも、sic:そのように、こうして、dicebat,:言った、Variegata erit:様々な色にされた、様々な色で飾られた、まだらにされた、merces:賃金、商品、報酬、tua,:あなたの、et:また、実際、pepererunt:産んだ、omnes:凡ての、全体の、greges:(羊や山羊などの)群れ、variegata'::様々な色にされた、様々な色で飾られた、まだらにされた、quod:こと、それ、そのこと、significet:意味する、eadem:同じ、同様のもの、quoad:~に関して、~に関する限り、falsa:間違った原理(信念)、adjuncta,:結合された、結ばれた、接合された、constat:知られる、明らかである、ex:~から、~により、illis:それらから、彼らから、quae:それらは、そのことらは、nunc:今しがた、たった今、dicta sunt;:言われた、et:また、そして、a:~から、~により、significatione:意味、`variegatorum':様々な色にされた、様々な色で飾られた、まだらにされた、quod:こと、それ、そのこと、sint:ある、vera:諸々の真理、sparsa:広められた、流布された、分散された、et:~と、および、mixta:混合された、混成の、雑多な、malis,:諸々の悪、de:~について、qua:それから、そのことから、n.:番号、4005, proinde:従って、それ故に、falsa.:間違った原理(信念)、

4080.「またもし、まだらのものがあなたの報酬であるとそのように言ったなら、実際、凡ての羊の群れがまだらのものを産んだ」が、結ばれた間違った原理に関しても同様に得られたことを意味することは、今しがた言われたことから知られよう。また「まだらにされたもの」の意味が悪に分散された真理と悪が混合された真理であることから知られよう。そのことについては4005番(に示された)。従って間違った原理である。

4081. `Et eripuit Deus acquisitionem patris vestri, et dedit
mihi': quod significet quod illa ex Divino, constat ex illis quae
supra n. 4065, et quae n. 4075 dicta et ostensa sunt.

4081. `Et:また、かくして、eripuit:奪い取った、ひったくった、取り去った、Deus:神、acquisitionem:獲得、取得、patris:父、vestri,:あなた達の、et:また、同時に、dedit:引き渡した、委ねた、手渡した、mihi'::私に、quod:こと、それ、そのこと、significet:意味する、quod:こと、それ、そのこと、illa:それらは、ex:~から、~により、Divino,:神的な、constat:知られる、明らかである、ex:~から、~により、illis:それらから、彼らから、quae:それらは、そのことらは、supra:上に、上部に、n.:番号、4065, et:また、そして、quae:それらは、そのことらは、n.:番号、4075 dicta:言われた、et:また、そして、ostensa sunt.:示された、

4081.「かくして、神はあなたの父の取得物を取り去り、同時に、私に引き渡された」が、それらは神的なものからあったことを意味することは、上の4065番と4075番に言われ、また示されたことから知られよう。

4082. Et factum in tempore incalescendi gregem': quod significet
affectionis ardorem ut conjungerentur, constat ex significatione
`incalescere' quod sit affectionis ardor et ejus effectus, de qua
n. 4018, 4019; ita ut conjungerentur nempe bona et vera.

4082. `Et:また、そして、factum:為された、行なわれた、in:~の中、~において、tempore:時、時間、時期、時代、incalescendi:熱くなることの、興奮することの、gregem'::(羊や山羊などの)群れ、quod:こと、それ、そのこと、significet:意味する、affectionis:情愛、ardorem:火、炎、情熱、ut:~のために、こと、~するように、conjungerentur,:連結された、結合された、constat:知られる、明らかである、ex:~から、~により、significatione:意味、`incalescere':熱くなること、興奮すること、quod:こと、それ、そのこと、sit:ある、affectionis:情愛、ardor:火、炎、情熱、et:~と、および、ejus:それの、彼の、effectus,:結果、効果、de:~について、qua:それから、そのことから、n.:番号、4018, 4019; ita:このように、従って、ut:~のために、こと、~するように、conjungerentur:連結された、結合された、nempe:正確には、即ち、bona:諸々の善、et:~と、および、vera.:諸々の真理、

4082.「そして、羊の群れの興奮(発情)の時期に行なわれたことだが」が、連結されるための情愛の情熱を意味することは「興奮(発情)」の意味が情愛の情熱であり、またその結果であることから知られよう。そのことについては4018, 4019番(に示された)。従って善と真理が連結されることである。

4083. `Et sustuli oculos meos, et vidi in somnio': quod
significet perceptionem naturalis boni in obscuro, constat a
significatione `tollere oculos' quod sit cogitare, et quoque
intendere, de qua n. 2789, 2829, 3198, ita percipere; et ex
significatione `in somnio' quod sit in obscuro, de qua n. 2514,
2528; (o) naturalis bonum est `Jacob'.

4083. `Et:また、確かに、sustuli:上げた、(一人称単数完了)oculos:目、meos,:私の、et:また、そして、vidi:見た、認めた、(一人称単数完了)in:~の中、~において、somnio'::夢、眠り、空想、夢想、幻想、quod:こと、それ、そのこと、significet:意味する、perceptionem:理解、認識、naturalis:自然的な、自然の、boni:善、in:~の中、~において、obscuro,:不明瞭な、暗い、不確かな、constat:知られる、明らかである、a:~から、~により、significatione:意味、`tollere:上げること、持ち上げること、oculos':目、quod:こと、それ、そのこと、sit:ある、cogitare,:考えること、et:また、そして、quoque:~もまた、同じく、同様に、intendere,:向けること、de:~について、qua:それから、そのことから、n.:番号、2789, 2829, 3198, ita:このように、従って、percipere;:理解すること、認めること、認識すること、et:また、そして、ex:~から、~により、significatione:意味、` in:~の中、~において、somnio':夢、眠り、空想、夢想、幻想、quod:こと、それ、そのこと、sit:ある、in:~の中、~において、obscuro,:不明瞭な、暗い、不確かな、de:~について、qua:それから、そのことから、n.:番号、2514, 2528; (o) naturalis:自然的な、自然の、bonum:善、est:ある、`Jacob'.:ヤコブ、

4083.「確かに私は目を上げ、また夢の中で見た」が、不明瞭なものの中の自然的な善の認識を意味することは、「目を上げること」の意味が考えること、また向けることであることから知られよう。そのことについては2789, 2829, 3198番(に示された)。従って認識することである。また「夢の中」の意味が不明瞭なものであることから知られよう。そのことについは2514, 2528番(に示された)。自然的な善は「ヤコブ」である。

4084. `Et ecce hirci ascendentes super gregem variegati, punctati
et grandinati': quod significet effectum quod bonum naturale per
`Jacob' intellectum talibus inde imbueretur, constare potest ex
illis quae in capite praecedente de his dicta sunt; cesserunt enim
Jacobo per gregem Labanis variegata, punctata et maculosa, hoc est,
talia quae per illa significantur.

4084. `Et:また、しかもその時に、ecce:ほら、見よ、hirci:雄山羊、ascendentes:上がっている、乗っている、super:~の上に、~の上へ、gregem:(羊や山羊などの)群れ、variegati,:様々な色にされた、様々な色で飾られた、まだらにされた、punctati:小さな斑点で覆われた、斑点入りの、et:~と、および、grandinati'::雹のような白い斑点のある、まだらの、quod:こと、それ、そのこと、significet:意味する、effectum:結果、効果、quod:こと、それ、そのこと、bonum:善、naturale:自然的な、自然の、per:~を通して、~によって、`Jacob':ヤコブ、intellectum:意味された、talibus:このような、次ぎのような、inde:それ故、そこから、imbueretur,:吸収された、吹き込まれた、教えられた、constare:知られること、potest:出来る、可能である、ex:~から、~により、illis:それらから、彼らから、quae:それらは、そのことらは、in:~の中、~において、capite:章、praecedente:先行している、de:~について、his:これらから、dicta sunt;:言われた、cesserunt:与えられた、譲られた、enim:なぜならば、~というのは、Jacobo:ヤコブ、per:~を通して、~によって、gregem:(羊や山羊などの)群れ、Labanis:ラバン、variegata,:様々な色にされた、様々な色で飾られた、まだらにされた、punctata:小さな斑点で覆われた、斑点入りの、et:~と、および、maculosa,:汚れた、染みで覆われた、斑点で覆われた、hoc est,:即ち、talia:このような、次ぎのような、quae:それらは、そのことらは、per:~を通して、~によって、illa:それらを、significantur.:意味される、

4084.「しかもその時に見よ、雄山羊がまだらにされた羊の群れ、斑点入りの羊の群れ、および白い斑点のある羊の群れの上に乗った」が、ヤコブによって意味された自然的な善がそのようなものにそこから教えられた結果を意味することは、前の章でそれらについて言われたことから知られよう。というのは、ラバンの羊の群れによってまだらにされたもの、斑点入りのもの、および白い斑点のあるものがヤコブに与えられたからである。即ちそれらによって意味されるようなものが与えられたからである。