39-4976~4977原典訳「天界の秘義」創世記Ⅳ

4976. `Et ministravit illi': quod significet quod scientificum
appropriaretur bono suo, constat ex significatione `ministrare'
quod sit inservire suppeditando id cujus indiget alius, hic
appropriari quia agitur de bono naturali cui appropriandum
scientificum; `ministrare' etiam praedicatur de scientificis, per
ministrum enim et per servum in Verbo significatur scientificum seu
verum naturale, quia hoc subordinatum est bono ut suo domino;
scientificum ad jucundum naturalis hominis, seu quod idem, verum
naturale ad bonum ejus, se habet prorsus sicut aqua ad panem, seu
potus ad cibum; aqua seu potus facit ut diluatur panis et cibus, et
dilutus feratur in sanguinem et inde in partes corporis
circumquaque, et nutriat illas; absque enim aqua {1}aut potu panis
seu cibus non resolvitur in sua minuta, nec circumfertur ad usum;
[2] ita quoque est scientificum respective ad jucundum, seu verum
respective ad bonum; quapropter bonum appetit et desiderat verum,
et hoc propter usum ut sibi ministret et serviat; correspondent
etiam similiter; homo in altera vita non nutritur per aliquem cibum
et potum naturalem, sed per cibum et potum spiritualem; cibus
spiritualis est bonum, et potus spiritualis est verum; quapropter
ubi in Verbo panis aut cibus nominatur, angeli intelligunt panem
seu cibum spiritualem, nempe bonum amoris et charitatis, et ubi
aqua aut potus nominatur, intelligunt aquam seu potum spiritualem,
nempe verum fidei; inde videri potest quid verum fidei absque bono
charitatis, tum quomodo illud absque hoc nutrire potest internum
hominem, quod nempe sicut sola aqua seu solus potus absque pane et
cibo; quod inde `homo emacietur' et pereat, notum est.

4976. `Et:また、そして、ministravit:仕えた、奉仕した、illi'::彼に、quod:こと、それ、そのこと、significet:意味する、quod:こと、それ、そのこと、scientificum:科学的な、事実に基づく、appropriaretur:専有された、自分のものにされた、bono:善、suo,:自分自身に、それ自身に、constat:知られる、明らかである、ex:~から、~により、significatione:意味、`ministrare':仕えること、奉仕すること、quod:こと、それ、そのこと、sit:ある、inservire:役に立つこと、仕えること、suppeditando:助けとなることで、与えることで、id:それを、cujus:その者、indiget:欠乏している、必要とする、 alius,:他のもの、異なった、hic:ここに、この場に、appropriari:専有されること、自分のものにされること、quia:なぜなら、ので、agitur:述べられる、取り扱われる、de:~について、bono:善、naturali:自然的な、cui:それに、そのことに、appropriandum:専有されるべき、(未来受動分詞)scientificum;:科学的な、事実に基づく、` ministrare':仕えること、奉仕すること、etiam:~もまた、更に、praedicatur:属性付けられる、述べられる、de:~について、scientificis,:科学的な、事実に基づく、per:~を通して、~によって、ministrum:仕える、助けになる、enim:なぜならば、~というのは、et:~と、および、per:~を通して、~によって、servum:奴隷、しもべ、in:~の中、~において、Verbo:聖言、御言葉、significatur:意味される、scientificum:科学的な、事実に基づく、seu:即ち、或いは、verum:真理、naturale,:自然的な、quia:なぜなら、ので、hoc:これは、subordinatum:下位に置かれた、従属させられた、est:ある、bono:善、ut:~のように、~として、suo:それ自身、domino;:主人、
scientificum:科学的な、事実に基づく、ad:~に、~へ、jucundum:愉快、楽しい、naturalis:自然的な、hominis,:人間、seu:即ち、或いは、quod:こと、それ、そのこと、idem,:同じ、同様のもの、verum:真理、naturale:自然的な、ad:~に、~へ、bonum:善、ejus,:それの、彼の、se:それ自身を、habet:持つ、有す、prorsus:全く、完全に、正確に、sicut:~の如く、~のように、aqua:水、ad:~と比べれば、~と比較して、panem,:パン、食物、seu:即ち、或いは、potus:飲料、飲み物、ad:~と比べれば、~と比較して、cibum;:食物、食料、aqua:水、seu:即ち、或いは、potus:飲料、飲み物、facit:行う、為す、ut:~のために、こと、~するように、diluatur:溶かされる、溶解される、分解される、panis:パン、食物、et:~と、および、cibus,:食物、食料、et:また、そして、dilutus:溶かされた、溶解された、分解された、feratur:運び去られる、駆り立てられる、in:~の中へ、~に、sanguinem:血、血液、et:また、そして、inde:それ故、そこから、in:~の中へ、~に、partes:部、部分、corporis:体、身体、circumquaque,:至る所に、et:また、そして、nutriat:食物を与える、養う、育てる、illas;:それらを、absque:~なしに、~を除いて、enim:なぜならば、~というのは、aqua:水、{1} aut:即ち、或いは、potu:飲料、飲み物、panis:パン、食物、seu:即ち、或いは、cibus:食物、食料、non:否、resolvitur:溶解される、in:~の中、~において、sua:自分自身から、それ自身から、minuta,:小さい、細切れの、nec:否、circumfertur:運ばれる、ad:~に、~へ、usum;:用、役立ち、
[2] ita:このように、従って、quoque:~もまた、同じく、同様に、est:ある、scientificum:科学的な、事実に基づく、respective:関係して、関して、ad:~に、~へ、jucundum,:愉快、楽しい、seu:即ち、或いは、verum:真理、respective:関係して、関して、ad:~に、~へ、bonum;:善、quapropter:そのために、それ故に、bonum:善、appetit:願う、欲する、et:~と、および、desiderat:憧れる、熱望する、verum,:真理、et:また、そして、hoc:これは、propter:~のために、~の故に、usum:用、役立ち、ut:~のために、こと、~するように、sibi:自分自身に、それ自身に、ministret:仕える、奉仕する、et:また、そして、serviat;:奴隷である、仕える、correspondent:相応する、etiam:~もまた、更に、similiter;:同様に、似ている、homo:人間、in:~の中、~において、altera vita:他生、non:否、nutritur:食物を与えられる、養われる、育てられる、per:~を通して、~によって、aliquem:何か、若干の、cibum:食物、食料、et:~と、および、potum:飲料、飲み物、naturalem,:自然的な、sed:しかし、per:~を通して、~によって、cibum:食物、食料、et:~と、および、potum:飲料、飲み物、spiritualem;:霊的な、cibus:食物、食料、spiritualis:霊的な、est:ある、bonum,:善、et:また、そして、potus:飲料、飲み物、spiritualis:霊的な、est:ある、verum;:真理、quapropter:そのために、それ故に、ubi:そこで、その場所、in:~の中、~において、Verbo:聖言、御言葉、panis:パン、食物、aut:即ち、或いは、cibus:食物、食料、nominatur,:呼ばれる、angeli:天使達、intelligunt:理解する、panem:パン、食物、seu:即ち、或いは、cibum:食物、食料、spiritualem,:霊的な、nempe:正確には、即ち、bonum:善、amoris:愛、et:~と、および、charitatis,:仁愛、et:また、そして、ubi:そこで、その場所、aqua:水、aut:即ち、或いは、potus:飲料、飲み物、nominatur,:呼ばれる、intelligunt:理解する、aquam:水、seu:即ち、或いは、potum:飲料、飲み物、spiritualem,:霊的な、nempe:正確には、即ち、verum:真理、fidei;:信仰、inde:それ故、そこから、videri:見られること、認められること、potest:出来る、可能である、quid:何か?、どんな?、verum:真理、fidei:信仰、absque:~なしに、~を除いて、bono:善、charitatis,:仁愛、tum:その上、更に、quomodo:どのように、どうして、どのようにして、illud:それは、absque:~なしに、~を除いて、hoc:これから、nutrire:食物を与えること、養うこと、育てること、potest:出来る、可能である、internum hominem,:内なる人間、quod:こと、それ、そのこと、nempe:正確には、即ち、sicut:~の如く、~のように、sola:だけ、のみ、aqua:水、seu:即ち、或いは、solus:だけ、のみ、potus:飲料、飲み物、absque:~なしに、~を除いて、pane:パン、食物、et:~と、および、cibo;:食物、食料、quod:こと、それ、そのこと、inde:それ故、そこから、` homo:人間、emacietur':衰弱させられる、やせ衰えさせられる、やつれさせられる、et:また、そして、pereat, :死ぬ、滅びる、消える、失われる、notum est.:よく知られた、熟知された、

4976.「また彼に仕えた」が、科学的な(事実に基づく)ものがその善に専有されたことを意味することは、「仕えること」の意味が他の者が必要とするものを与えることで役に立つことであることから知られよう。ここでは自然的な善について取り扱われているので、それに専有されなければならない科学的な(事実に基づく)ものであり、(また)「仕えること」もまた科学的な(事実に基づく)ものに属性付けられる。というのは、聖言において仕える者と奴隷によって科学的な(事実に基づく)もの、或いは自然的な真理が意味されるからである。なぜなら、それはその主人としての善に従属させられたものであるからである。科学的な(事実に基づく)ものは自然的な人間の楽しいものに、或いは同じことであるが、自然的な真理はその善に(従属させられたものである)。そのことはパンと比較した水の如く、或いは食物と比較した飲み物の如く有する。水、或いは飲み物はパンと食物が溶かされることを為し、また溶かされたものが血液に運ばれることを為し、またそこから身体の至る所の部分へ運ばれることを為し、それら(身体の部分)を養う。というのは、水、或いは飲み物なしにパン、或いは食物はその(身体の)小(部分)の中で溶かされないからであり、用のために運ばれないからである。
[2]そのように科学的な(事実に基づく)ものは楽しいものに関係し、或いは真理は善に関係している。それ故に、善は真理を欲し、また真理に憧れる。そしてそれは用のために用に奉仕し、また仕えるためであり、更にそれらは同じ様に相応するからである。他生において人間は何かの自然的な食物と飲み物によって養われないが、しかし霊的な食物と飲み物によって養われる。霊的な食物は善であり、また霊的な飲み物は真理である。それ故に、聖言の中でパン、或いは食物が言われる所で天使達は霊的なパン、或いは食物を理解する。即ち愛と仁愛の善を理解し、またそこで水、或いは飲み物が言われると霊的な水、或いは飲み物を理解する。即ち信仰の真理を理解する。それ故、仁愛の善なしの信仰の真理がどのようものか、更にこれ(仁愛の善)なしにそれ(信仰の真理)はどうして内なる人間を養うことが出来るか認められることが出来よう。即ち水だけ、或いはパンと食物なしの飲み物だけであれば人間は衰弱させられ、また死ぬことは熟知されている。

4977. `Et praefecit eum super domum suam': quod significet quod
applicuit se ei bonum, constat ex significatione `domini', qui
praefecit quod sit bonum, de qua supra n. 4973; et (c)a
significatione `praeficere eum super domum suam' quod sit applicare
se es; nempe scientifico seu vero naturali; quod hic sensus sit,
patet a sequentibus ubi dicitur `quod quicquid erat illi, dederit
in manum ejus', per quae significatur quod omne suum sicut in ejus
potestate esset; bonum enim est `dominus', et verum est `minister';
cum dicitur de domino quod praefecerit ministrum, seu de bono quod
praefecerit {1}verum, in sensu interno non significatur quod
cesserit ei dominium, sed quod applicuerit se, (m)nam in sensu
interno percipitur res sicut illa in se est, sed in sensu litterae
exponitur res secundum apparentiam;(n) bonum enim semper habet
dominium, ast applicat se ut verum ei conjungatur: [2] homo cum in
vero est, quod fit antequam regeneratus est, tunc vix aliquid novit
de bono; verum enim influit per viam externam seu sensualem, bonum
autem per viam internam; quod influit per viam externam, hoc sentit
homo, non autem quod per viam internam, priusquam regeneratus est;
quapropter nisi in priore statu daretur sicut dominium vero, seu
nisi ita applicaret se bonum, nusquam bono appropriaretur verum;
hoc idem est cum illis quae multoties prius ostensa sunt, quod
nempe verum apparenter primo loco sit, seu quasi `dominus' cum
regeneratur homo, sed bonum manifeste primo loco {2}et `dominus'
cum homo regeneratus est, de quibus videatur n. 3539, 3548, 3556,
3563, 3570, 3576, 3603, 3701, 4925, 4926, 4928, 4930.

4977. `Et:また、そして、praefecit:上に置く、長に任ずる、監督させる、eum:それを、彼を、super:~の上へ、~の上に、domum:家、家屋、suam'::自分自身を、それ自身を、quod:こと、それ、そのこと、significet:意味する、quod:こと、それ、そのこと、applicuit:付けた、適用した、se:自分自身を、それ自身を、ei:彼に、bonum,:善、constat:知られる、明らかである、ex:~から、~により、significatione:意味、`domini',:主人、qui:その者達、praefecit:上に置く、長に任ずる、監督させる、quod:こと、それ、そのこと、sit:ある、bonum,:善、de:~について、qua:それから、そのことから、supra:上に、上で、n.:番号、4973; et:また、そして、(c)a:~から、~により、significatione:意味、`praeficere:長に任ずること、eum:彼を、super:~の上へ、~の上に、domum:家、suam'::自分自身を、それ自身を、quod:こと、それ、そのこと、sit:ある、applicare:適用すること、付け加えること、se:それ自身を、ei;:それに、nempe:正確には、即ち、scientifico:科学的な、事実に基づく、seu:即ち、或いは、vero:真理、naturali;:自然的な、quod:こと、それ、そのこと、hic:ここに、この場に、sensus:意味、sit,:ある、patet:明らかである、a:~から、~により、sequentibus:次の、後に続く、ubi:そこで、その場所、dicitur:言われる、` quod:こと、それ、そのこと、quicquid:何でも、凡て、何であろうと、erat:あった、illi,:彼に、dedit:与えた、in:~の中へ、~に、manum:手、ejus',:それの、彼の、per:~を通して、~によって、quae:それらを、significatur:意味される、quod:こと、それ、そのこと、omne:凡ての、全体の、suum:それ自身を、sicut:~の如く、~のように、in:~の中、~において、ejus:それの、彼の、potestate:支配力、権限、esset;:あった、bonum:善、enim:なぜならば、~というのは、est:ある、`dominus',:主人、et:また、そして、verum:真理、est:ある、`minister';:仕える、助けになる、cum:その時、その場合、dicitur:言われる、de:~について、domino:主人、quod:こと、それ、そのこと、praefecerit:上に置いた、長に任じた、ministrum,:仕える、助けになる、seu:即ち、或いは、de:~について、bono:善、quod:こと、それ、そのこと、praefecerit:上に置いた、長に任じた、{1}verum,:真理、in:~の中、~において、sensu interno:内意、non:否、significatur:意味される、quod:こと、それ、そのこと、cesserit:与えた、引き渡した、譲った、ei:彼に、dominium,:支配権、統治、所有権、sed:しかし、quod:こと、それ、そのこと、applicuerit:付けた、適用した、se,:自分自身を、それ自身を、(m) nam:なぜなら、というのも、in:~の中、~において、sensu interno:内意、percipitur:理解される、認められる、res:事柄、物事、sicut:~の如く、~のように、illa:それらは、in se:本質的に、本来、est,:ある、sed:しかし、in:~の中、~において、sensu litterae:文字通りの意味、exponitur:説明される、res:事柄、物事、secundum:~に従って、~に沿って、apparentiam;:外観、見かけ、(n) bonum:善、enim:なぜならば、~というのは、semper:常に、永久に、habet:持つ、有す、dominium,:支配権、統治、所有権、ast:しかし、けれども、applicat:付ける、適用する、se:自分自身を、それ自身を、ut:~のために、こと、~するように、verum:真理、ei:それに、彼に、conjungatur::連結される、結合される、
[2] homo:人間、cum:その時、その場合、in:~の中、~において、vero:真理、est,:ある、quod:こと、それ、そのこと、fit:為される、行われる、antequam:~より前に、~より先に、regeneratus est,:再生された、tunc:その時、やがて、vix aliquid:殆ど~ない、先ず~ない、novit:知る、知った、de:~について、bono;:善、verum:真理、enim:なぜならば、~というのは、influit:流れ込む、流入する、per:~を通して、~によって、viam:生命、externam:外部の、外なる、seu:即ち、或いは、sensualem,:感覚的な、bonum:善、autem:しかし、他方において、per:~を通して、~によって、viam internam;:内なる生命、quod:こと、それ、そのこと、influit:流れ込む、流入する、per:~を通して、~によって、viam externam,:外なる生命、hoc:これは、sentit:感じる、気付く、homo,:人間、non:否、autem:しかし、他方において、quod:こと、それ、そのこと、per:~を通して、~によって、viam internam,:内なる生命、priusquam:~より前に、~以前に、regeneratus est;:再生された、quapropter:そのために、それ故に、nisi:~以外、もし~でなければ、in:~の中、~において、priore:より前の、より先の、statu:状態、性質、daretur:与えられた、sicut:~の如く、~のように、dominium:支配権、統治、所有権、domini:主人、vero,:真理、seu:即ち、或いは、nisi:~以外、もし~でなければ、ita:このように、従って、applicaret:付けた、適用した、se:それ自身を、bonum,:善、nusquam:どこにもない、決して~ない、bono:善、appropriaretur:専有された、自分のものにされた、verum;:真理、hoc:これは、idem:同じ、同様のもの、est:ある、cum:~と一緒に、~と、illis:それらから、彼らから、quae:それらは、multoties:たびたび、何度も、prius:以前に、前に、前以て、ostensa sunt,:示された、quod:こと、それ、そのこと、nempe:正確には、即ち、verum:真理、apparenter:外観上は、うわべは、primo:第一の、最初の、loco:場所、位置、sit,:ある、seu:即ち、或いは、quasi:言わば、あたかも~のように、`dominus':主人、cum:その時、その場合、regeneratur:再生される、homo,:人間、sed:しかし、bonum:善、manifeste:明瞭に、はっきりと、primo:第一の、最初の、loco:場所、位置、{2} et:また、そして、`dominus':主人、cum:その時、その場合、homo:人間、regeneratus est,:再生された、de:~について、quibus:それらから、そのことらから、videatur:見られる、認められる、n.:番号、3539, 3548, 3556, 3563, 3570, 3576, 3603, 3701, 4925, 4926, 4928, 4930.

4977.「そして彼は彼(ヨセフ)を自分の家の長に任じた」が、彼がその善を彼に適用したことを意味することは長に任ずる「主人」の意味が善であることから知られよう。そのことについては上の4973番(に示された)。また「彼(ヨセフ)を自分の家の長に任じること」の意味がそれ(その善)をそれ、即ち科学的な(事実に基づく)もの、或いは自然的な真理に適用することであることから知られよう。それがここの意味であることは後に続く箇所で「彼にあった凡てのものを彼(ヨセフ)の手に与えた」と言われていることから明らかである。それらによってその凡てのものを彼の権限の中にある如く(為すことが)意味される。というのは、善は主人であるからであり、真理は仕えるからである。主人について、彼が仕えるものを長に任じたこと、或いは善についてそれが真理を上に置いたことが言われる時、内意において彼に支配権を引き渡したことは意味されないが、しかし彼に適用したことが意味される。なぜなら、内意においては事柄が本質的にある如く認められるが、しかし文字通りの意味においては事柄は外観に従って説明されるからである。というのは、善は常に支配権を持つが、しかし真理はそれ(善)に連結されるためにそれ(真理)自身を適用するからである。
[2]人間が再生される前に為されることであるが、人間が真理の中に居る時、善について殆んど知らない。というのは、真理は外なる生命を通して、即ち感覚的なものを通して流入するからであり、他方において善は内なる生命を通して流入するからである。外なる生命を通して流入するものを人間は感じるが、しかし内なる生命を通して流入するものは再生前には感じない。それ故に、(再生される)前の状態において主人の支配権の如くものが真理に与えられるのでなければ、或いはそのようにそれ(真理)自身を善に適用するのでなければ真理は決して善に専有されない。そのことは前に何度も示されたこと、即ち人間が再生される時、真理は外観上最初の位置にあること、或いは主人のようにあることと同様である。しかし人間が再生された時は明瞭に善が最初の位置にあり、また主人である。それらのことについては3539, 3548, 3556, 3563, 3570, 3576, 3603, 3701, 4925, 4926, 4928, 4930番に認められよう。