39-4993~4997原典訳「天界の秘義」創世記Ⅳ

4993. `Et omne quod est illi dedit in manum meam': quod
significet quod omne in ejus potestate, constat ex illis quae supra
n. 4978 dicta sunt, ubi similia verba; sed illa differentia et quod
ibi agatur de altero statu in quo fuit caeleste spiritualis in
naturali, tunc enim bonum naturale applicuit se, et sibi
appropriavit verum, n. 4976, 4977, in quo statu bonum dominium
habuit actualiter sed verum apparenter, quapropter tunc
significabatur per illa verba `quod omne suum sicut in ejus
potestate esset'; hic autem agitur de tertio statu in quo est
caeleste spiritualis cum illud in naturali factum est spirituale,
et quia in hoc statu nulla appropriatio et, idcirco per illa verba
significatur quod omne in ejus potestate esset.

4993. `Et:また、そして、omne:凡ての、全体の、quod:こと、それ、そのこと、est:ある、illi:彼に、dedit:与えた、in:~の中へ、~に、manum:手、meam'::私の、quod:こと、それ、そのこと、significet:意味する、quod:こと、それ、そのこと、omne:凡ての、全体の、in:~の中、~において、ejus:それの、彼の、potestate,:支配力、権限、constat:知られる、明らかである、ex:~から、~により、illis:それらから、彼らから、quae:それらは、そのことらは、supra:上に、上で、n.:番号、4978 dicta sunt,:言われた、ubi:そこで、その場所、similia:同様な、等しい、verba;:言葉、語、sed:しかし、illa:それは、differentia:相違、区別、et:~と、および、quod:こと、それ、そのこと、ibi:そこに、そこで、agatur:述べられる、取り扱われる、de:~について、altero:第二の、もう一つの、他の方の、statu:状態、性質、in:~の中、~において、quo:それから、そのことから、fuit:あった、caeleste:天的な、spiritualis:霊的な、in:~の中、~において、naturali,:自然的な、tunc:その時、やがて、enim:なぜならば、~というのは、bonum:善、naturale:自然的な、applicuit:付けた、適用した、se,:自分自身を、それ自身を、et:また、そして、sibi:自分自身に、それ自身に、appropriavit:専有した、自分のものにした、verum,:真理、n.:番号、4976, 4977, in:~の中、~において、quo:それから、そのことから、statu:状態、性質、bonum:善、dominium:支配権、統治、所有権、habuit:持った、有した、actualiter:実際に、本当に、sed:しかし、verum:真理、apparenter,:外観上は、うわべは、quapropter:そのために、それ故に、tunc:その時、やがて、significabatur:意味された、per:~を通して、~によって、illa:それらを、verba:言葉、語、`quod:こと、それ、そのこと、omne:凡ての、全体の、suum:自分自身を、それ自身を、sicut:~の如く、~のように、in:~の中、~において、ejus:それの、彼の、potestate:支配力、権限、esset';:あった、hic:ここに、この場に、autem:しかし、他方において、agitur:述べられる、取り扱われる、de:~について、tertio:第三の、第三番目の、statu:状態、性質、in:~の中、~において、quo:それから、そのことから、est:ある、caeleste:天的な、spiritualis:霊的な、cum:その時、その場合、illud:それは、in:~の中、~において、naturali:自然的な、factum est:行なわれた、為された、spirituale,:霊的な、et:また、そして、quia:なぜなら、ので、in:~の中、~において、hoc:これから、statu:状態、性質、nulla:何も~ない、決して~でない、誰も~ない、appropriatio:自分自身のものとすること、専有、est,:ある、idcirco:それ故に、その理由で、per:~を通して、~によって、illa:それらを、verba:言葉、語、significatur:意味される、quod:こと、それ、そのこと、omne:凡ての、全体の、in:~の中、~において、ejus:それの、彼の、potestate:支配力、権限、esset.:あった、

4993.「また彼にある凡てのものを私の手に与えられた」が、彼の権限の中の凡てのものを意味することは上の4978番に言われたことから知られよう。そこで同様な言葉が言われている。しかしそこにおいては自然的なものの中に霊的な天的なものがあった第二の状態について述べられていることの相違がある。というのはその時、自然的な善はそれ自身を適用し、またそれ(自然的な善)に真理を専有したからである。4976, 4977番(を参照)、その状態において善は実際に支配権を持ったが、しかし真理は外観上(支配権を持った)。それ故にその時、「その凡てのものが彼の権限の中にあった如くあった」の言葉によってそれが意味された。他方において、ここではその中に霊的な天的なものがあって、それが自然的なものの中で霊的なものに為された時の第三の状態について述べられている。またその状態において何も専有はないので、それ故に、それらの言葉によって彼の権限の中に凡てのものがあったことが意味されている。

4994. `Non ipse magnus in domo hac prae me': quod significet quod
bonum illud tempore prius non statu, constat `ex significatione
`non magnus esse in domo prae me' seu non major esse quod sit ex
aequo esse dominia, proinde quod prius sit unum et alterum; ex
serie in sensu interno patet quod bonum naturale non spirituale
tempore prius sit, et quod bonum naturale spirituale statu prius
sit, ut quoque liquet {1} ab illis quae supra n. 4992 ostensa sunt.
Prius statu est eminentius esse quoad quale.

4994. `Non:否、ipse:そのもの、それ自身、magnus:偉大な、高名な、in:~の中、~において、domo:家、家屋、hac:これから、prae:~よりも、~と比較して、me'::私から、quod:こと、それ、そのこと、significet:意味する、quod:こと、それ、そのこと、bonum:善、illud:それは、tempore:時、時間、時期、時代、prius:先に、前に、前以て、non:否、statu,:状態、性質、constat:知られる、明らかである、` ex:~から、~により、significatione:意味、` non:否、magnus:偉大な、高名な、esse:あること、存在すること、in:~の中、~において、domo:家、家屋、prae:~よりも、~と比較して、me':私から、seu:即ち、或いは、non:否、major:より大きい、より偉大な、esse:あること、存在すること、quod:こと、それ、そのこと、sit:ある、ex:~から、~により、aequo:平等、同等、esse:あること、存在すること、dominia,:支配権、所有権、支配、proinde:それ故に、従って、quod:こと、それ、そのこと、prius:先に、前に、前以て、sit:ある、unum:1、et:~と、および、alterum;:もう一つの、二番目の、他の方、ex:~から、~により、serie:ひと続き、続きもの、in:~の中、~において、sensu interno:内意、patet:明らかである、quod:こと、それ、そのこと、bonum:善、naturale:自然的な、non:否、spirituale:霊的な、tempore:時、時間、時期、時代、prius:先に、前に、前以て、sit,:ある、et:また、そして、quod:こと、それ、そのこと、bonum:善、naturale:自然的な、spirituale:霊的な、statu:状態、性質、prius:先に、前に、前以て、sit,:ある、ut:~のように、~として、quoque:~もまた、同じく、同様に、liquet:明らかである、{1} ab:~から、~により、illis:それらから、彼らから、quae:それらは、そのことらは、supra:上に、上で、n.:番号、4992 ostensa sunt.:示された、
Prius:先に、前に、前以て、statu:状態、性質、est:ある、eminentius:卓越、傑出、際立っている、esse:あること、存在すること、quoad:~に関して、~に関する限り、quale.:質、性質、

4994.「この家の中で私よりも偉大な者その者は居ない」が、その善は時間においては先であるが、状態においては先でないことを意味することは、「家の中で私よりも偉大な者は居ないこと」、或いは更に偉大な者が居ないこと(それは支配権が同等であることからある)の意味から知られよう。それ故に、一人の者ともう一人の者が(両者共)先である。内意のひと続きの事柄から霊的でない自然的な善は時間において先にあり、また霊的な自然的な善は状態において先にあることが明らかであり、同様に上の4992番に示されたことからも明らかである。
状態において先にあることは性質に関して卓越があることである。

4995. Et non prohibuit a me quicquam nisi temet': quod significet
quod vero boni illius vetitum sit conjungi, constat ex
significatione `prohibuisse a se' quod sit vetitum esse; et a
significatione `uxoris' quae est quam prohibuit, et hic per `temet'
intelligitur: quod sit verum naturale non spirituale, de qua n.4988.

4995. Et:また、そして、non:否、prohibuit:さえぎる、禁ずる、a:~から、~に対して、me:私から、quicquam:誰も、誰か、何も、何か?、nisi:~以外、もし~でなければ、temet'::あなた自身を、quod:こと、それ、そのこと、significet:意味する、quod:こと、それ、そのこと、vero:真理、boni:善、illius:それの、彼の、vetitum sit:禁止された、conjungi,:連結されること、結合されること、constat:知られる、明らかである、ex:~から、~により、significatione:意味、`prohibuisse:さえぎったこと、禁じたこと、a:~から、~により、se':自分自身から、それ自身から、quod:こと、それ、そのこと、sit:ある、vetitum esse;:禁止されたこと、et:また、そして、a:~から、~により、significatione:意味、`uxoris':妻、quae:それらは、そのことらは、est:ある、quam:それを、その者、prohibuit,:さえぎる、禁ずる、et:また、そして、hic:ここに、この場に、per:~を通して、~によって、`temet':あなた自身を、intelligitur::意味される、quod:こと、それ、そのこと、sit:ある、verum:真理、naturale:自然的な、non:否、spirituale,:霊的な、de:~について、qua:それから、そのことから、n.:番号、4988.

4995.「またあなた以外誰も私に対してさえぎらない」が、その善の真理に連結されることは禁じられたことを意味することは、「自分自身からさえぎること」の意味が禁じられたことであることから知られよう。また彼をさえぎる「妻」、またここで「あなた」によって意味される「妻」の意味が霊的でない自然的な真理であることから知られよう。そのことについては4988番(に示された)。

4996. `Eo quod tu uxor illius': quod significet quia non alii
bono conjungendum, constat ex significatione uxoris' quod sit verum
adjunctum suo bono, de qua n. 1468, 2517, 3236, 4510, 4823, hic
verum naturale non spirituale cum bono naturali non spirituali, ut
supra n. 4988.

4996. `Eo quod:~の理由で、ので、tu:あなたは、uxor:妻、illius'::それの、彼の、quod:こと、それ、そのこと、significet:意味する、quia:なぜなら、ので、non:否、alii:他のもの、異なった、bono:善、conjungendum,:連結されるべき、結合されるべき、(未来受動分詞)constat:知られる、明らかである、ex:~から、~により、significatione:意味、uxoris':妻、quod:こと、それ、そのこと、sit:ある、verum:真理、adjunctum:結合された、結ばれた、接合された、suo:自分自身に、それ自身に、bono,:善、de:~について、qua:それから、そのことから、n.:番号、1468, 2517, 3236, 4510, 4823, hic:ここに、この場に、verum:真理、naturale:自然的な、non:否、spirituale:霊的な、cum:~と一緒に、~と、bono:善、naturali:自然的な、non:否、spirituali,:霊的な、ut:~のように、~として、supra:上に、上で、n.:番号、4988.

4996.「あなたは彼の妻だからです」が、他の善に連結されるべきでないのでを意味することは「妻」の意味がその善に結ばれた真理であることから知られよう。そのことについては1468, 2517, 3236, 4510, 4823番(に示された)。ここでは上の4986番のように霊的でない自然的な善と(連結された)霊的でない自然的な真理である。

4997. `Et quomodo faciam malum magnum hoc, et peccarem Deo?': quod
[significet quod] sic disjunctio et nulla conjunctio, constat ex
significatione `mali' et quoque peccati' quod sit disjunctio et
nulla conjunctio, (m)nempe cum bonum naturale spirituale
conjungitur cum vero naturali non spirituali, sunt enim dissimilia
et imparia, quae se a mutuo distrahunt. `Facere malum' dicitur et
`peccare Deo' quia(n) malum in se spectatum et quoque peccatum non
aliud est quam disjunctio a bono, ipsum malum etiam in disunione
consistit; hoc patet a bono; bonum est conjunctio quia omne bonum
est amoris in Dominum et amoris erga proximum; bonum amoris in
Dominum conjungit illum Domino, et consequenter omni bono quod
procedit a Domino; et bonum amoris erga proximum conjungit illum
caelo et societatibus ibi, ita quoque per hunc amorem conjungitur
Domino, nam caelum proprie dictum est Dominus; Ipse enim est omne
in omnibus ibi. [2] Contra vero malum; malum est amoris sui et
amoris mundi; malum amoris sui disjungit illum non modo a Domino,
sed etiam a caelo, nam neminem amat quam se, et alios solum quantum
spectat illos in se, seu quantum unum faciunt cum se; inde derivat
omnium intuitiones (o)in se, et prorsus avertit ab aliis, et maxime
a Domino, et cum plures hoc faciunt in una societate, sequitur quod
omnes disjuncti sint, et quisque alterum ex interiore aspicit ut
{1} inimicum, et si quis contra illum quicquam facit, odio habet
illum, et jucundum habet in ejus pernicie; nec dissimiliter malum
amoris mundi, hoc enim cupit aliorum opes et aliorum bona, et cupit
possident omnia aliorum {2}, inde quoque inimicitiae et odia, sed
in minore gradu. Ut quis sciat quid malum, proinde quid peccatum,
modo studeat scire quid amor sui et mundi; utque sciat quid bonum,
modo studeat scire quid amor in Deum et amor erga proximum; inde
sciet quid malum, et consequenter quid falsum et inde sciet quid
bonum, et consequenter quid verum.

4997. `Et:また、しかるに、quomodo:どのように、どうして、どのようにして、faciam:行なう、為す、(接続法一人称単数現在)malum:悪、magnum:偉大な、大きな、hoc,:これは、et:また、そして、peccarem:罪を犯す、過失を犯す、過ちを犯す、(接続法一人称単数未完了)Deo?'::神、quod:こと、それ、そのこと、[significet:意味する、quod]:こと、それ、そのこと、sic:そのように、こうして、disjunctio:分離、et:また、そして、nulla:何も~ない、決して~でない、誰も~ない、conjunctio,:連結、結合、constat:知られる、明らかである、ex:~から、~により、significatione:意味、`mali':悪、et:また、そして、quoque:~もまた、同じく、同様に、peccati':罪、過失、quod:こと、それ、そのこと、sit:ある、disjunctio:分離、et:~と、および、nulla:何も~ない、決して~でない、誰も~ない、conjunctio,:連結、結合、(m) nempe:正確には、即ち、cum:その時、その場合、bonum:善、naturale:自然的な、spirituale:霊的な、conjungitur:連結される、結合される、cum:~と一緒に、~と、vero:真理、naturali:自然的な、non:否、spirituali,:霊的な、sunt:ある、enim:なぜならば、~というのは、dissimilia:同じでない、等しくない、異なった、et:~と、および、imparia,:等しくない、異なった、不釣り合いの、quae:それらは、そのことらは、se:それら自身を、a:~から、~により、mutuo:相互に、お互いに、distrahunt.:引き離す、引き裂く、裂く、
`Facere:行なうこと、為すこと、malum':悪、dicitur:言われる、et:~と、および、` peccare:罪を犯すこと、過失を犯すこと、Deo':神、quia:なぜなら、ので、(n) malum:悪、in se:本質的に、本来、spectatum:見られた、et:~と、および、quoque:~もまた、同じく、同様に、peccatum:罪、過失、non:否、aliud:他のもの、異なった、est:ある、quam:~を除いて、~の外は、disjunctio:分離、a:~から、~により、bono,:善、ipsum:そのもの、それ自身、malum:悪、etiam:~もまた、更に、in:~の中、~において、disunione:結合を欠くこと、分裂、consistit;:構成される、成り立つ、存続する、hoc:これは、patet:明らかである、a:~から、~により、bono;:善、bonum:善、est:ある、conjunctio:連結、結合、quia:なぜなら、ので、omne:凡ての、全体の、bonum:善、est:ある、amoris in Dominum:主への愛、et:~と、および、amoris erga proximum;:隣人への愛、bonum:善、amoris in Dominum:主への愛、conjungit:連結する、結合する、illum:彼を、Domino,:主、et:また、そして、consequenter:それ故に、従って、その結果として、omni:凡ての、全体の、bono:善、quod:こと、それ、そのこと、procedit:生じる、発する、a:~から、~により、Domino;:主、et:また、そして、bonum:善、amoris erga proximum:隣人への愛、conjungit:連結する、結合する、illum:彼を、caelo:天界、et:~と、および、societatibus:仲間関係、社会、ibi,:そこに、そこで、ita:このように、従って、quoque:~もまた、同じく、同様に、per:~を通して、~によって、hunc:これを、amorem:愛、conjungitur:連結される、結合される、Domino,:主、nam:なぜなら、というのも、caelum:天界、proprie:厳密に、正確に、固有のものとして、個別に、適切に、特に、適当に、当然、正しく、とりわけ、dictum est:言われた、Dominus;:主、Ipse:御自身、enim:なぜならば、~というのは、est:ある、omne:凡ての、全体の、in:~の中、~において、omnibus:凡ての、全体の、ibi.:そこに、そこで、
[2] Contra:それに対して、~に反対して、vero:真理、しかし、malum;:悪、malum:悪、est:ある、amoris sui:自己愛、et:~と、および、amoris mundi;:世俗愛、malum:悪、amoris sui:自己愛、disjungit:分ける、分離する、illum:彼を、non:否、modo:だけ、単に、a:~から、~により、Domino,:主、sed:しかし、etiam:~もまた、更に、a:~から、~により、caelo,:天界、nam:なぜなら、というのも、neminem:誰も~ない、amat:愛する、quam:~を除いて、~の外は、se,:自分自身を、et:また、そして、alios:他の者達、solum:だけ、のみ、quantum:ほど、~の限り、~の範囲、~の程度、spectat:見る、考慮する、関係する、目指す、illos:彼らを、それらを、in:~の中、~において、se,:自分自身から、seu:即ち、或いは、quantum:ほど、~の限り、~の範囲、~の程度、unum:1、faciunt:行なう、為す、cum:~と一緒に、~と、se;:自分自身から、inde:それ故、そこから、derivat:脇へそらす、omnium:凡ての、全体の、intuitiones:熟視すること、熟考、考慮、熟慮、(o)in:~の中、~において、se,:自分自身から、et:また、そして、prorsus:全く、完全に、正確に、avertit:そらす、離反する、ab:~から、~により、aliis,:他のもの、異なった、et:また、そして、maxime:特に、とりわけ、最大に、最も、a:~から、~により、Domino,:主、et:また、そして、cum:その時、その場合、plures:より多くの、多数の、hoc:これを、faciunt:行なう、為す、in:~の中、~において、una:1、societate,:仲間関係、社会、sequitur:続く、続いて来る、quod:こと、それ、そのこと、omnes:凡ての、全体の、disjuncti sint,:分けられた、分離された、et:また、そして、quisque:各々の、誰でも、各人、何でも、alterum:もう一つの、二番目の、他の方、ex:~から、~により、interiore:内的な、より内なる、aspicit:見る、注視する、ut:~のように、~として、{1} inimicum,:敵、et:また、そして、si:もし~なら、たとえ~でも、quis:誰か、何か、contra:~に対して、~に反対して、illum:彼を、quicquam:誰も、誰か、何も、何か?、誰かある人、何かあるもの、肯定節で:どんな~でも、facit,:行う、為す、odio:憎しみ、嫌悪、habet:持つ、有す、illum,:彼を、et:また、そして、jucundum:愉快、楽しい、habet:持つ、有す、in:~の中、~において、ejus:それの、彼の、pernicie;:破滅、零落、nec:否、dissimiliter:異なって、似ていないで、malum:悪、amoris mundi,:世俗愛、hoc:これは、enim:なぜならば、~というのは、cupit:願う、求める、欲する、aliorum:他のもの、異なった、opes:財産、富、et:~と、および、aliorum:他のもの、異なった、bona,:財産、et:また、そして、cupit:願う、求める、欲する、possident:所有する、占有する、支配する、omnia:凡ての、全体の、aliorum:他のもの、異なった、{2}, inde:それ故、そこから、quoque:~もまた、同じく、同様に、inimicitiae:敵意、敵愾心、et:~と、および、odia,:憎しみ、憎むこと、sed:しかし、in:~の中、~において、minore:より小さい、より低い、gradu.:段階、程度、
Ut:~のために、こと、~するように、quis:誰か、何か、sciat:知る、quid:何か?、どんな?、malum,:悪、proinde:それ故に、従って、quid:何か?、どんな?、peccatum,:罪、過失、modo:だけ、単に、studeat:学問する、研究する、scire:知ること、quid:何か?、どんな?、amor sui:自己愛、et:~と、および、mundi;:世俗愛、ut:~のために、こと、~するように、quis:誰か、何か、sciat:知る、quid:何か?、どんな?、bonum,:善、modo:だけ、単に、studeat:学問する、研究する、scire:知ること、quid:何か?、どんな?、amor in Deum:神への愛、et:~と、および、amor erga proximum;:隣人への愛、inde:それ故、そこから、sciet:知る、(三人称単数未来)quid:何か?、どんな?、malum,:悪、et:また、そして、consequenter:それ故に、従って、その結果として、quid:何か?、どんな?、falsum:間違った原理(信念)、et:また、そして、inde:それ故、そこから、sciet:知る、(三人称単数未来)quid:何か?、どんな?、bonum,:善、et:また、そして、consequenter:それ故に、従って、その結果として、quid:何か?、どんな?、verum.:真理、

4997.「しかるにどうして私はこの大きな悪を行ない、また神に罪を犯せようか?」が、そのように分離があり、また決して連結がないことを意味することは「悪」、また同じく「罪」の意味が分離があることと何も連結がないこと、即ち霊的な自然的な善が霊的でない自然的な真理に連結される時、(何も連結がないこと)から知られよう。というのは、異なったものと不釣合いのものは相互にそれら自身を引き離すからである。
「悪を行なうこと」と「神に罪を犯すこと」が言われている。なぜなら、本質的に見られた「悪」と同じく「罪」もまた善からの分離を除いて他のものではないからであり、悪そのものもまた分裂の中に成り立つからである。そのことは善から明らかである。凡ての善は主への愛と隣人への愛からあるので善には連結がある。主への愛の善は彼を主に連結し、またそれ故に、主から発する凡ての善に(連結する)。また隣人への愛の善は彼を天界とそこの社会に連結する。従ってこの愛によってもまた主に連結される。なぜなら、厳密に言われた天界は主であるからである。というのは、主御自身はそこの凡てのものの中の凡てのものであるからである。
[2]しかしそれに対して、自己愛と世俗愛の悪は彼を主から分離するだけでなく、更に天界からも分離する。なぜなら、自分自身を除いて誰も愛さないからである。また他の者達を自分自身の(利益に)関係する範囲で、或いは自分自身と一つのものを為す範囲で(愛するだけだからである)。それ故、自分自身の中の凡てのものの考慮を脇へそらし、また特に主からそらす。そして一つの社会の中で多くの者達がそれを行う時、凡ての者達が分離されることが続いて起り、また誰でも内的なものから他の者を敵として見る。そしてもし、誰かが彼に反して何かを行なうなら彼に憎しみを持ち、また彼の破滅に楽しみを持つ。世俗愛の悪も異なっていない。というのは、それは他の者の富と他の者の財産を欲するからであり、また他の者の凡てのものを所有することを欲するからであり、そこから敵愾心と憎しみもまたあるからであるが、しかしそれは低い段階にある。
誰かが悪が何であるかを知るためには、従って罪が何であるかを知るためには自己愛と世俗愛が何であるかを研究するだけで知ることが出来よう。また誰かが善が何であるかを知るためには神への愛と隣人への愛が何であるかを研究するだけで知ることが出来よう。そこから悪が何であるかを知り、またそれ故、間違った原理が何であるか知るであろう。またそこから善が何であるかを知り、またそれ故、真理が何であるかを知るであろう。